ちょっと前に Raspberry Pi 2 を購入して、FreeBSD を動かした「Raspberry Pi2 で FreeBSD。」と、いうエントリを書きましたが、 FreeBSD/arm が動いておしまい。 ports のコンパイルは大変だぁ。などと書いていますが FreeBSD/amd64 で ports のクロスコンパイル環境が整ったのでちょっと書いてみたいと思います。
英語の文章はあちこちにあるようですね。あと、日本語のウェブもちらほらあるようです。
今回参考にさせてもらったのは以下の二つのサイトです。
http://www.textplain.net/tutorials/2015/cross-compiling-freebsd-ports-for-the-beaglebone-black/
http://www.dvatp.com/tech/armv6_freebsd_poudriere
このサイトを日本語化した。と、いうような感じでしょうかねf(^^;;。
で、結論から先に申しますと『クロスコンパイル環境で ports をコンパイルしても遅いよね。』ですX-(。 と、いうことで、ここから始まりです。
1). ports のインストール
母艦は FreeBSD/amd64 10.1-RELEASE です。ここに FreeBSD/arm CURRENT の ports コンパイル環境を構築します。カーネルの構築はしません。カーネルはブートイメージを利用します。
と、いうことで FreeBSD/amd64 や FreeBSD/i386 上で FreeBSD/arm の ports をコンパイルする環境を構築するには ports が用意されているんですね。それを利用します。
ports 的には ports-mgmt/poudriere-devel/ というのを利用します。こいつを make install すれば環境が整います;-)。ただ make config のオプションでは QEMNU を [X] する必要があります。
poudriere は jail と qemu の連合軍で FreeBSD/arm の packages を作るんですな。
無事にインストールできれば準備は完了。
2). poudriere の環境設定
ports から ports-mgmt/poudriere-devel/ をインストールしたら準備完了というのは大きな間違いでして、ここから長い道のりが待っております。orz
まず poudriere の設定フアイルとして /usr/local/etc/poudriere.conf というフアイルを用意してあげます。以下は僕が用意したそのファイルの中身です。
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BASEFS= は環境を構築するディレクトリ。
SVN_HOST= は svnweb を指定します。おーーっとっ!! ここで登場だぁ;-)。
DISTFILES_CACHE= は ports のソース置き場ですね。
こんな感じでしょうか。
一個前のエントリで「svn:// に対応しました。」と、いうのを書いているのですが、 poudriere はソースコードを取りに行く時に port 3690 にアクセスします。 http:// で用意した svnweb にアクセスするとエラーになるんですね。なので、今回、僕は svnweb.icmpv6.org を svn:// 対応にした。と、いうことなんですけどもね。
と、いうことで config ファイルの準備が整いました。
3). qemu の設定と poudriere の実行
poudriere は qemu を利用しているので、先に qemu の設定を行います。
以下の呪文のようなコマンドを打つようです。あー。コマンドが突き抜けてしまっていますねf(^^;;。マウスでつかんだときに –set-enabled がついていれば OK 一番最後のオプションです。
このコマンドは QEMU に対するコマンドで、色々やるときに qemu-arm-static が呼ばれるようになります。
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これで準備は完了。続いて poudriere なコマンドを打ちます。
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poudriere は合わせて jail 環境も構築するのですが、その時 CURRENT-armv6 が生成されます。任意の文字列で問題はありません。
アーキテクチャは arm.armv6 で、今回は CURRENT の環境を構築するので -v で head を指定しました。
10.1-RELEASE の環境を作りたい場合には release/10.1.0 とか指定します。 http://svnweb.icmpv6.org/base/release/ 配下にあるヤツを -v で指定します。 stable/10 とかでも良いと思います。
で、このコマンドを実行すると、なんとっ!! svnweb からソースコードを svn co して来ます。そして make buildworld が走りますっ!! 半日くらい放っときましょうかねf(^^;;。
あ。コンパイルが完了したファイルは母艦側の /usr/obj/arm.armv6/ に一式 obj ファイルが生成されます。
4). ports 環境の準備
上のコマンドが走っている最中でも ports の環境は生成できます。並行してやっても良いかも知れないですがディスクアクセスが大変なことになっているかも・・。仮想マシン上であると随分と遅くなります。
ports 環境を生成するためには以下のコマンドを打ちます。
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こいつもまた冗長ぎみで、 portsnap とか動いて ports の環境一式持ってきて差分比較して展開するというだいそれたことをしてくれます。 orz
僕的には素直に母艦の /usr/ports を symlink もしくは mount_nullfs すれば済むじゃないかっ!! と思うんですけどもね。
けど、それをやってこの工程を省くと /usr/local/etc/poudriere.d/ports/default/mnt がねーぞ。ぼけっ!! などと怒られるのであります。 orz
と、いうことで、これで ports の環境が整いました。ここまででシーケンシャルにやると大体八時間位かかりますかねぇ。ひたすら待つことになります。
4). さて。いよいよ ports のコンパイルだっ!!
準備が整ったのでいよいよ ports の make をします。コマンドは二つ。
まずは make config に相当するコマンドになります。
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-j で jail の環境を指定します。その次にコンパイルしたい ports を指定します。今回は dns/libidn/ をコンパイルする予定です。
上記で make config 相当がはしります。あ。正確に言うと make config-recursive が走ります。関連性でインストールされる ports の全ての make config が走ってくれます。
続いていよいよコンパイル。
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こんな感じで始まります。
がっ!! しっかしっ!! 遅いっ!! japanese/nkf とかコンパイルしても全然遅い。ヘタしたら FreeBSD/arm 上で make install したほうが速いんじゃね?と思えるくらい遅くてうんざりです。 orz
あと、 DISTFILES_CACHE=/usr/ports/distfiles を指定しているんだけど、この中に無いヤツは勝手に取ってきてくれないようで、事前に入れておく必要があったりします。
思いの外使えない状態かなぁ・・。
5). 環境についての説明
poudriere は設定フアイルとして /usr/local/etc/poudriere.conf と /usr/local/etc/poudriere.d/ を利用します。 /usr/local/etc/poudriere.d/ のほうは下を覗くと色々あります。 jail 環境を作り直したい場合には jails/ ディレクトリをサクっと rm すれば良いです。あ。これはイリーガルなやり方で、上記の URL では以下のコマンドを打て。と、書いてありますね;-)。
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僕はこのコマンドは打ったことないです;-)。
実際にできた ports ですが、設定ファイルで指定した BASEFS=/usr/local/poudriere の中にできます。
/usr/local/poudriere/data/packages/CURRENT-armv6-default/.building/All/ の中とかですね。途中のディレクトリに All@ とか symlink されたものがあり、その中を見ても良いかと思われます。
poudriere ports -c で生成した ports ツリーは /usr/local/poudriere/ports/default/ にあります。僕は portsnap とか使ったことないので、このディレクトリで svn co 叩いても良いかと思われます。
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これでいつも最新の ports-CURRENT が手に入る。しかし、その分コンパイルしないとダメですけどね・・。
5). ports 一括コンパイル
最後にですが、必要な ports 一括コンパイルの方法を書いておきます。
まず、ports の一覧が書かれているファイルを用意します。仮に /root/pkglist.txt としておきましょうかねぇ。
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自分の FreeBSD/arm で動かしたい ports をドドドとリスト化すると良いですね。
その後まずは make config-recursive に相当する以下のコマンドを実行します。
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上にも書きましたが、関連性を含めて make config を実行してくれます。それにしても /etc/make.config に相当する指定はできないのかなぁ? jail の中に用意すればよいのかな?
続いて make します。
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あとは時間が掛かるので寝てしまい、うまくいけば朝には完成している。と、いう感じでしょうか。
とまぁ、こんな感じで FreeBSD/amd64 上で FreeBSD/arm-CURRENT の ports が packages として構築できると思います。
それにしても遅いのでどうしようか悩み中なのですけど・・。
皆さんも時間があったら試してみてください。
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[…] イルしたので、そのことについてちょっと書いてみます。 1). クロスコンパイル環境の準備 以前のエントリで ports の ports-mgmt/poudriere-devel/ を試したと書いているのですが、そのとき […]