6月 192021
 

最近はコロナの影響で非常事態宣言が発令されている状況において、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
僕は飲み屋さんに行くことができないので、その分飲み代が現金として溜まってきている。みたいな感じかなぁ。

と、いうことで Let’s Note CF-SZ5 の中古を購入してしまいました。型番的には CF-SZ5PDY6S です。
中古ですが、状態が良く A ランクで、届いたのを見たら確かにきれいです。傷らしいのはロック穴の周りに 2,3 個ある程度で他の部分は非常にきれいでした。液晶も無事です。
型番的に CF-SZ5PDY6S という Let’s Note CF-SZ5 ですが、当然、企業向けモデルで、定価だと 30 万 yen くらいらしいですが、これを税込み 41,000yen で購入しました。 最近、アキバでも中古 PC がたくさん出回っているようですが、それに比べるとちょっと高いかな? まぁ、その分程度が良いのでちょっと多めに出した。と、いう雰囲気で;-)。

スペック的にはこんな感じ。

  • OS: Windows10 Pro
  • CPU: Intel Core i5-6300U (2Core/4Thread)
  • Mem: 8GB 増減不可
  • SSD: M2 2280 SATA 256GB
  • 光学ドライブ: 無し
  • SD カードスロット: 有り (SDHC)
  • NIC: if_em and if_iwm

 
約一年くらい前に ThinkPad X13 AMD が届いて、苦労して FreeBSD をインストールしつつもなんとか使っている状態ですが、ちょっと古い PC で動かすと、もっと楽できるんじゃね? みたいな・・。

例えば ThinkPad X13 AMD は default で NIC が付いてないので USB NIC を接続したり suspend/resume できなかったり、AC アダプタ引っこ抜くとリブートしてしまったり・・。やっぱりまだまだ FreeBSD を動かすにはちょっと早い。でもって、 AC アダプタ引っこ抜くと再起動してしまうので、外に持ち出すことができない・・。はぁ・・。

 
と、いうことで、今回購入した Let’s Note CF-SZ5 は FreeBSD 専用機です。

まず、届いた直後にインストールされている Windows10 Pro のライセンスキーをひっこ抜きます。その後、リカバリーイメージを作成して Windows10 の基本的なバックアップは終了。

 
次に FreeBSD/amd64 13.0-RELEASE をインストールです。 SSD が 256GB しかないのでマルチブートはしません。 FreeBSD 専用機です。
FreeBSD インストール時には何も意識することなく、Windows パーティションもサクっと、消してインストールします。

1. UEFI (BIOS) の画面でセキュアプートをオフ
2. 13.0-Rの ISO イメージを UEFI モードで USB メモリに書き込みインストール
3. Windows のパーティションは全て削除
4. FreeBSD のインストールだよん

 
で、無事にFreeBSD/amd64 13.0-RELEASE のインストールが完了。 ports から KDE5 をインストールして環境を整えて無事にシューリョー。マルチブートとか気にしなくて良いのでインストールは非常に楽です。

 
Let’s Note CF-SZ5 は 2016 年の NotePC なので、ちょうど BIOS から UEFI へと切り替わる過渡期で、BIOS 設定でも UEFI と BIOS の両方有効にできます。 ThinkPad X13 AMD には既に BIOS の機能が無いことを考えると中途半端な感じですね。

 
インストール後の機能については以下な感じ。

  • SSD は M2 でありながら SATA 接続なので /dev/ada0 で認識します
  • SD カードスロット は sdhci で認識して SD カードは mmc0 もしくは mmcsd0 で認識します
  • NIC は em0 と iwm0 として認識し WiFi チップは Wireless 8260 として認識します
  • i915kms.ko を利用しているので xrandr で確認するとディスプレーは eDP-1 で認識されるので brightness が利用できます
  • 音はスピーカ・ヘッドホン共に出ます。Fn キーでボリュームも調整できます

 
さすがに古い PC はと、いうか Intel 系 CPU 搭載の NotePC はデバイスが色々動いて良いですねぇ;-)。

今回は graphics/intel-backlight はインストールしていません。 xrandr(1) とか backlight(8) で画面の明るさを変更することができます。

ここまで動作すると、ほぼ ThinkPad X13 AMD と機能的には同等ですね。 AMD 最新 CPU に対してよくやっているなぁ。と、いう感じかな;-)。

 
と、いうことで肝心の xorg について、インストールしたドライバは以下の通り。

xf86-input-evdev-2.10.6_6 X.Org event device input driver
xf86-input-keyboard-1.9.0_4 X.Org keyboard input driver
xf86-input-libinput-0.30.0_1 X.Org libinput input driver
xf86-input-mouse-1.9.3_3 X.Org mouse input driver
xf86-input-synaptics-1.9.1_8 X.Org synaptics input driver
xf86-video-scfb-0.0.5_2 X.Org syscons display driver
xf86-video-vesa-2.5.0 X.Org vesa display driver

 
xf86-video-intel はインストールしません。グラフィックスドライバは以下を利用します。

drm-fbsd13-kmod-5.4.92.g20210419 DRM modules for the linuxkpi-based KMS components
gpu-firmware-kmod-g20210330 Firmware modules for the linuxkpi-based KMS components

 
なので xorg.conf の Section “Device” で Driver “intel” な設定は無いですね。自動的に設定される modesetting になります。
/etc/rc.conf に以下の設定を書くだけです。

kld_list="i915kms.ko"

 
そして、/boot/loader.conf は以下のような感じ。ちょっと長いかな。

#
##
#
kern.vty=vt
hw.vga.textmode=1

#
## ipfw
#
net.inet.ip.fw.default_to_accept="1"

#
## ACPI
#
#acpi_video_load="YES"
acpi_panasonic_load="YES"

#
## psm/sysmouse
#
hw.psm.synaptics_support="1"
hw.psm.elantech_support="1"
hw.psm.trackpoint_support="1"

hint.psm.0.flags="0x6000"

#
## Realtek and Intel wifi license
#
legal.realtek.license_ack="1"
legal.intel_iwm.license_ack="1"

#
##
#
cpu_microcode_load="YES"
cpu_microcode_name="/boot/firmware/intel-ucode.bin"

coretemp_load="YES"

ichwd_load="YES"
smb_load="YES"

linux_load="YES"
linux64_load="YES"
linux_common="YES"
linprocfs_load="YES"

nfsclient_load="YES"
nfslockd_load="YES"
krpc_load="YES"

mem_load="YES"
io_load="YES"
aio_load="YES"

wlan_load="YES"
wlan_xauth_load="YES"
wlan_wep_load="YES"
wlan_tkip_load="YES"
wlan_ccmp_load="YES"
wlan_amrr_load="YES"

firmware_load="YES"
pchtherm_load="YES"

if_iwm_load="YES"
iwm8000Cfw_load="YES"

sound_load="YES"
snd_hda_load="YES"

#ipl_load="YES"
#ipfw_load="YES"

accf_http_load="YES"
sem_load="YES"

evdev_load="YES"
uinput_load="YES"
cuse_load="YES"

 
さてと。これだけ設定して必用な機能がほぼ動作しています。

AC アダプタ抜いてもリブートすることはないです。と、いうことは ThinkPad X13 AMD での問題点は個別にインストールした amdgpu.ko と、いうことになります。確かに /etc/rc.conf に kld_list=”amdgpu.ko” と書かない場合 (それはつまりは scfb で Xorg を動かす場合と、いうことになります) には AC アダプタを抜き差ししてもカーネルパニックになることはありません。

 
さてと。今回の Let’s Note CF-SZ5 ですが、一応、強引に suspend/resume まで動くようにしました。

FreeBSD 13.0-RELEASE は基本的に suspend はするが resume しなかったり resume したとしても画面がブラックアウトしてしまい、リモートから ssh して再起動することにより復活する。と、いう感じです。
基本的に acpi_video.ko は 13.0-RELEASE ではもう利用することはできません。 hw.acpi.reset_video=”1″ ももう使えません。

 
ただ、前のエントリでデスクトップ機が suspned/resume するっ!! と書いています。実際に結構良いあんばいで利用しているんですけども。Xorg は死んじゃうんだけど、 service sddm restart すると復活する。

では i915kms.ko 使っている場合も強引にやったらどうなるんだろう? と・・。

と、いうことで試した結果、 suspend/resume がまんまとできるようになりました;-)。以下の文字列を /etc/rc.resume の最後の exit 0 の上に書いてください。

#
service sddm stop
sleep 2
kldunload i915kms.ko
sleep 2
kldload i915kms.ko
sleep 2
service sddm restart

 
僕は KDE5 を利用しているので、ログインマネージャには sddm を利用しています。resume 後にそれを stop します。次に i915kms.ko をロードし直します。これがキモですっ!! これで X というか、画面 (tty というか vt のコンソール) が戻ってきます。そして再度 sddm を起動します。

suspend 前の画面の情報を引き継ぐことはできませんが、 suspend したあと OS 自体を再起動することなく利用を再開できるので、まぁ、なんとかなりそうです。(妥協的な部分ではありますが・・)。

あと resume したあとタッチパッドが利用できなくなるので /etc/loader.conf に hint.psm.0.flags=”0x6000″ の設定が必要です。

 
と、まぁ、ここまでで、ほぼ完璧に FreeBSD/amd64 13.0-RELEASE が動作しました。ただ、僕的一点困ってることがあります。調べても解決策が見つかりませんでした。

Let’s Note と言えば、タッチパッドをクルクル回すことによりスクロールすることが名物でありますが、その設定がどうにもわかりません。どなたか、現在タッチパッドをクルクル回してスクロールできている方がいましたら、その設定方法を教えて頂けませんでしょうか。

suspend/resume できるワザ書いたので、情報交換。と、いうことで;-)。よろしくおねがいしますぅ。

 
さてと。これで、持ち出せる FreeBSD が手元に準備できた。

この間、仕事でデータセンタに行ってパケットキャプチャする必要に迫られていんですよぉ・・。

Let’s note CF-SZ5 は軽いし NIC 付いているし移動には非常に良い感じ。 ThinkPad X13 AMD は 8Core 16Thread なので、ports のコンパイルにはモッテコイな状態です。今後は二台を上手に使い分けて FreeBSD を楽しみたいところです;-)。

7月 152020
 

さてと。前回のエントリは ThinkPad X13 の AMD 版が納品されて、簡単なファースト・インプレッションを行いました。
僕はそもそも NotePC で Windows10 を利用することはあまりないので、ベンチマークとか全然できないのであります。なので、詳細な検証などはまるで皆無。参考にならない記事ですなf(^^;;。

と、いうことで、今回は出たばかりの最新鋭の NotePC に FreeBSD をインストールしてみます。色々と問題点があるのだろうなぁ。とは思うのでありますが、れっつとらい。

 
1. FreeBSD のインストール準備
今回チョイスした FreeBSD のバージョンは FreeBSD/amd64 12.1-RELEASE と、いうリリースされている標準的なバージョンです。このバージョンが、最新鋭の NotePC にインストールしてどこまで動作するのか確認してみたいと思います。

インストールの作業手順は以下のとおりです。

0).Windows10 の回復 USB の作成
1).Windows10 のパーティションの縮小
2).FreeBSD 用 UEF パーティションの確保
3).FreeBSD のインストール
4).bcdedit でブートメニューの登録

このうちのほとんどの作業は以前「ThinkPad E145 を UEFI ブートに変えてみた。」といえエントリに書いているのでサクっと省略します。実際に僕もこの手順で問題なくインストールできましたので、そちらを参考にして頂ければと思います。

ただ、今回は最新鋭の NotePC で、今まで利用していた ThinkPad e145 と比べて最新技術が導入されています。

気を付けたのは以下の点。

  • BitLocker が default で導入されている
  • UEFI (BIOS) の設定画面で「レガシー BIOS」(CSM のことですね) がどうも見当たらない

この二つをなんとか回避する必要があります。

 
2. BitLocker の解除
「コントロールパネル」から「BitLocker ドライブ暗号化」メニューを覗いても無効にはできませんでした。ただし、この画面から BitLocker のキーを取得しておきましょう。
BitLocker を解除するのは「設定」アプリの [更新とセキュリティ] の中にあります。ここからまず、 BitLocker を無効にします。

最初から入っている OS 以外をインストールするとき EFI セットアップメニュー (BIOS 画面) で「セキュアブート」を無効にする必要があるのですが、 BitLocker を有効にしたままセキュアブートをオフにすると青い画面が現れて何やらキーを入力するように要求されてしまい『むむむ。』などと思ってしまうのであります。

と、いうことで、新しい OS をインストールするためには、

・BitLocker を無効にする
・セキュアブートをオフにする

以上の二つが必要です。

 
3.「レガシー BIOS」の設定画面が見当たらない
もしかしたら EFI セットアップメニュー内にあるのかもしれません。が、しかし、僕は見つけられませんでした。と、いうか、もう FreeBSDの インストール時には「レガシー BIOS」の設定の有無は不要です。

ThinkPad e145 を UEFI で利用する設定を投入したときに FreeBSD のインストール用 USB メモリを Rufus で作成した。と、書いています。 Rufus で FreeBSD のブート USB イメージを作成するときは MBR で起動する USB ブートイメージしか作れない。と、書いているのですが、実は FreeBSD の 12.1-RELEASE のインストールイメージは UEFI+GPT に対応しているんですね。

Rufus を利用して UEFI 対応の FreeBSD の USB ブートイメージを作成する場合 ALT+E を押すことにより BIOS+MBR にするか UEFI+GPT にするか選択できます。

なので、「レガシー BIOS」 をオンにせずとも UEFI モードのままで FreeBSD をインストールすることができるのであります。

 
4.FreeBSDのインストール
EFI セットアップメニューで変更するのは セキュアブート “オフ” のみで FreeBSD のインストールが可能になりました。

と、いうことで、あとは FreeBSD をインストールするのみです。途中パーティションの設定の所では、 [Auto] を設定すると、SSD の全領域を対象としてしまうので、ここは [Manual] で、必要な領域を確保するようにします。

インストールが完了したあとは Windows10 が起動するので bcdedit で Firmware Windows Boot Manager に FreeBSD がブートするように登録してあげてインストール作業は終了です。

 
5.いよいよ FreeBSD の起動。しかし NIC は?
まず、必要なのにデバイス的に動かないもの。あ、今回は一発目のインストールなので 12.1-RELEASE になります。あまりにも動かないようであれば CURRENT に移行するか。などと思っていますが。

  • WiFi6 AX200
  • Ryzen7 Radeon Vega10

この二つは結構痛い・・。orz
順番に話して行きます。

そもそも pciconf -lv すると none のデバイスが 8 個もあります。orz

pciconf -lvの結果

vmm.ko を kldload するとか、仮想 OS 用のブリッジ・RealTek のデバイス・AMD のマルチメディア系デバイスなどが認識していません。

 
Intel の WiFi6 対応の AX200 は 調べてみたところ OpenBSD のほうでは if_ixw と、いうドライバが書かれているみたいですが、 FreeBSD はまだ未対応のようです。 if_iwm.ko でも動作しません。

ThinkPad X13 の内臓 re0 を利用するためのアダプタを購入してないので USB WiFi や USB NIC を利用しようと思いましたが・・。それにしても最近の FeeeBSD の USB NIC はボロボロですな・・。RealTek の WiFi NIC ドライバ if_urtw.ko は 802.11a 対応したチップをマージしたら速度が全く出ないし、 if_axge.ko は ue0 の 1Gbps で接続する JR45 の NIC なのに、こいつは ping の損失率は 60% 前後。もう、悲惨というほかない・・。

ショーがないので WiFi の場合は if_run.ko を利用し RJ45 NIC の場合は if_axe.ko を利用する。と、いう状態・・。orz

 
6.Xorg 動く?
Ryzen7 Radeon Vega10 はディスプレイ用のチップですが ports から graphics/drm-fbsd12.0-kmod/ をインストールして

kld_list="/boot/modules/amdgpu.ko "/boot/modules/radeonkms.ko"

 

を書いても認識されませんでした。

/dev/dri/Card0 が生成されないので OS 的にも認識されていません。

まぁ、この際 amdgpu.ko をきっぱりと諦めて vesa ドライバで Xorg が起動してみようと試みるもダメ・・。あらまぁ。

[ 71220.842] (II) VESA(0): initializing int10
[ 71220.843] (EE) VESA(0): V_BIOS address 0x0 out of range
[ 71220.843] (II) UnloadModule: "vesa"
[ 71220.843] (II) UnloadSubModule: "int10"
[ 71220.843] (II) Unloading int10
[ 71220.843] (II) UnloadSubModule: "vbe"
[ 71220.843] (II) Unloading vbe
[ 71220.843] (EE) Screen(s) found, but none have a usable configuration.
[ 71220.843] (EE) 
Fatal server error:
[ 71220.843] (EE) no screens found(EE) 
[ 71220.843] (EE) 
Please consult the The X.Org Foundation support 
         at http://wiki.x.org
 for help. 
[ 71220.843] (EE) Please also check the log file at "/var/log/Xorg.0.log" for additional information.
[ 71220.843] (EE) 
[ 71220.844] (EE) Server terminated with error (1). Closing log file.

 
vesa ドライバを利用した場合はこんな感じのログが出力されます。

それなら最後の手段だ。と、いうことで scfb で試してみたところ、一応 Xorg の画面は現れました。が、 xrandr で対応する画面サイズを確認してみると・・。

# xrandr 
xrandr: Failed to get size of gamma for output default
Screen 0: minimum 640 x 480, current 640 x 480, maximum 640 x 480
default connected 640x480+0+0 0mm x 0mm
   640x480        0.00* 

 
orz。

しかし、scfs ドライバというのは UEFI と密接に関連いているようですね。 xorg.conf でディスプレイサイズを変更するのではなく UEFI 用のコマンドが用意されていて、 OS 起動時の画面サイズを調整してから、そのサイズを scfb ドライバが読み取って画面サイズが決定されるようです。

FreeBSD の起動時に OS ブートのメニューが表示されますが、そこで 3 を 押して OK プロンプトを出します。

表示された OK プロンプトで gop コマンドを打ちます。 GOP とは Graphics Output Protocol のことらしいです。オプションは list (選択枝の表示) get (現在の設定情報の取得) set (新しい設定を指定) の三つ。

OK プロンプトから gop list と打つとディスプレイが対応しているサイズの一覧が表示されます。そこて gop set 0 などと打ち、使いたいサイズの番号を打ちます。

すると、コンソールが中央付近に小さくなって表示されます。そこの OK プロンプトで boot と打つと指定した画面の大きさで FreeBSD がブートします。くれぐれも reboot とは打たないように;-)。
OS の起動後にすかさず startx と叩くと、さっきまで 640×480 でしか表示してくれなかった scfb ドライバが大画面で表示できるようになります。

ちなみに ThinkPad X13 AMD は色々なサイズがあったのですが、実質的に 640×480 か 1920×1080 の二つのサイズしか表示できませんでした。

なお、 /boot/loader.rc に gop set で指定したモードの番号を記載することにより毎回 OK プロンプトで設定する必要がなくなるらしいのですが、それはちょっとバグがあるみたいで正しく動作しないようです。
では、どうするか? と、いうと /boot/loader.conf に exec=”gop set 0″ と、コマンドイメージそのままを書くと良いです。

これで Xorg が無事に起動したので、ずいぶんと利便性がアップしました;-)。いやぁ。良かった。
あと、 NotePC のスペックが非常に高いので scfb ドライバでもその遅さがあまり気になりません。これは非常にラッキーです;-)。

 
7.Suspend/Resume するの?
以前、今回の ThinkPad X13 AMD を購入する前に FreeBSD の偉い人が既に ThinkPad X1 を持っていたのでその人に「Suspend/Resume します?」って、聞いたら「興味ない。」と、つれない返事。あらま。

では、ThinkPad X13 AMD が届いてから確認すれば良いやぁ。などと思ったのですが、今回はその検証を。

 
まず、何はなくとも zzz と打ってみると、一応は寝てくれました。しかし、電源を投入すると、 OS が起動して来て fsck が走ります。あらら・・。

試しに以下のコマンドを打ってみます。

# sysctl hw.acpi.supported_sleep_state
hw.acpi.supported_sleep_state: S4 S5

 
うひょー。 S3 ステートがないじゃーーん。 orz
なるほど。これが原因で「興味ない。」と、コメントが返ってきたんだな。と、一人で納得。

本当に S3 ステートが無いのか? とウェブで探し回ったことろ、以下の URL にぶち当たりました。

Lenovo ThinkPad X1 Carbon (Gen 6)

最近の ThinkPad には BIOS レベルで S3 ステートがなく、かわりに s0i3 スリープというのがあるらしい。では s0i3 スリープとはなんぞや? と、思い調べてみると Windows10 もしくは Microsoft 『モダンスタンバイ』というモノらしく OS べったりなスリープモードらしいです。

これを FreeBSD 側、上記 URL では『Linux 側』で利用するには ACPI の DSDT を書き換える必要がります。まぁ、過去に何回か書き換えたことがあるのでどーにかなるだろう。などと思いつつも EFI セットアップメニューを眺めていたらなんとっ!!

ThinkPad X13 AMD はスリープステートを EFI セットアップメニューから切り替えられるようになっておりました。

[Windows 10] にすると「モダンスタンバイ」 になって [Linux] にすると今までどおり S3 ステートになります。 [Linux] に変更したあとに上記 hw.acpi.supported_sleep_state を確認すると S3 S4 S5 と、 S3 が生えてまいりました;-)。

 
と、いうことで準備が整ったので再度 zzz と打ちます。 Suspend は割と素直に寝てくれます。フタを閉じて再度開けると、画面はブラックアウトです。しかし、 USB WiFi がピカピカ光っているのでカーネル自体は起き上がったようです。

しばらく待って ping の疎通確認したら目覚めていました。 ssh したらログインできました。無事に Suspend/Resume 自体は動作しているようですが、画面は真っ暗なまま。まぁ、まだ Xorg 動き始めたばかりなのでなんとも言えないですが、 コンソール周りの vt や Xorg 次第で画面が復活するかな?などと安直に思っています。

ちなみに、相変わらず acpi_video.ko はまともに動作せず sysctl の hw.acpi.reset_video mib を 1 にするとカーネルが凍りつくのは ThinkPad e145 と一緒ですね。

 
8.その他
画面の明るさ変更についてですが、上にも書いた通り acpi_video.ko がまともに動かないので sysctl の hw.acpi.video.lcd0.brightness mib などが使い物になりません。

これまた、画面の明るさについては Xorg が動いたら本格的にいじっていきたいです。

 
あと、まださわりだけですが、イヤホンジャックから音が出ません。 /dev/sendstat 見ると色々デバイスはあるみたいですが sysctl hw.snd.default_unit で切り替えてもヘッドホン端子にさしたイヤホンで音が出ていません。

pciconf -lv で AMD マルチメディアチップが none8 になっていたのでその辺りが影響しているのかな?

 
9.で、結局?
しかし、普段から NotePC で FreeBSD を利用しているので Windows10 では PC のスペックに対してその速さをあまり体験できなかったのですが FreeBSD をブートするとその性能が体感できますね。起動がむちゃくちゃ速い。 KDE5 も sddm からログインしたらサクっとデスクトップが表示されるし、 Firefox の起動もむちゃくちゃ速い。『いやぁー。速い NotePC は中々良いねぇ。』と、なるのであります;-)。

そして、ですが FreeBSD/amd 12.1-RELEASE では結局、以下が動きませんでした。

  • WiFi の AX200 が動作しない
  • Radeon Vega10 が amdgpu.ko で認識しない
  • S3 ステートは利用可能だが Suspend して Resume 後は画面がブラックアウト
  • 画面の明るさは変更できない
  • 音声出力がイヤホンジャックに切り替えられない

こんな感じでしょうか。Radeon Vega10 が graphics/drm-devel-kmod/ な ports で動作するのか確認したいところではありますが、そーすると OS 自体を CURRENT に上げる必要があります。

上記の状態を鑑みると CURRENT を試してみる価値ば十分にあるのかなぁ? などと、思っている次第ではあります・・。

が、このネタ、もう一回続くかも。

8月 072019
 

最近の FreeBSD は BIOS では PC の機能が使えなくなってきているものがちらほら出てきて、いよいよ UEFI に変えるべきかと思えてきた。
僕の持っているちょっと古いが、今でも現役の ThinkPad E145 を BIOS で利用するのは FreeBSD/amd64 10.1-RELEASE が一番良かった。その後 10.3-R -> 11.2-R にしてみると LCD の明るさが変えられなくなったりとか。
最近 11.3-R にしたら suspend して resume すると /dev/psm0 が『もう使えないよ。』みたいなエラーを吐きやがる。

psm0: failed to get status (doinitialize).
psm0: failed to enable the device (doopen).
psm0: failed to enable the device (reinitialize).

 
こんな感じ。 resume 後はもう USB なマウスを使うしか手がない。 /dev/psm0 だけでなく /dev/sysmouse (こっちはタッチパッド) も使えない状態。 moused も hald も悲しい状態。

/dev/psm0 みたいなのは BIOS べったりなので OS 的に UEFI 対応が進む FreeBSD ではいよいよ使えなくなってきているのだろうなぁ。などと、思い、それじゃ。と、いうことで UEFI で起動してみるかぁ。と、なったのであります。

 
以前、このブログでは ThinkPad E145 を BIOS+MBR の組み合わせで Windows8 と FreeBSD のマルチブートについてエントリを書いているのですが、今回はいよいよ UEFI+GPT でのブートになります。
当時 (上記 URL の記事は 2013 年 09 月に書いていますね) は、マルチブートに関する前例が中々見当たらず、インターネット上にもそれらしい記事がなかったのですが、最近は探せばちらほらと見つかるようになってきましたね。それは非常に良いことです。

と、いうことで僕もトライ。今回は、自分の今後のことも兼ねて、メモ的にその手順について書き留めておきます。まぁ、作業はほとんどが Windows10 上で行うんですけどね。

おおまかな手順は以下です。

0. Windows の回復 USB メモリの作成
1. Windows10 をまずインストール。もしくはパーティションを分割
2. FreeBSD 用 EFI パーティションを作成
3. FreeBSD/amd64 12.0-RELEASE をインストール
4. bcdedit でマルチブート設定
5. EFI パーティションにファイル設置
6. 電源投入で FreeBSD 起動

だいたいこんな感じでしょうか。では、はじまりです。

一応、断っておきますが、0 番目の「回復 USB メモリ」はもしものためにちゃんと作成しておきましょう。僕は Windows10 環境を何回もぶっ飛ばしていたりしますが、もし、そうなっても僕は責任持てません:-|。

 
1. Windows10 のインストール
新しい PC を買ってきたときや、今使っている PC には Windows10 が最初から入っていると思われます。
コントロールパネル -> コンピュータの管理 -> ディスクの管理 で、Windows10 に割り当てられているパーティションをちっこくしてあげる。詳細は書きませんけども。
新規に Windows10 をインストールする場合は C:\ を好きなサイズにして FreeBSD をインストールするスペースを残しておきます。
まず最初に Windows10 をインストールする。もしくは Windows10 がインストールされている状態。と、いうのが重要です。

 
新規に Windows10 をインストールする場合、ブート用の USB メモリを作成するところから始める人がいるかもしれませんが、僕の場合、今回は Windows のアプリで rufus と、いうのを利用しました。

バージョンにもよるかもしれませんが、 Windows10 の ISO ファイルは rufus に食わせると USB の起動イメージを BIOS+MBR で作るか UEFI+GPT で作るか指定できます。もしこの時に UEFI+GPT で作成した場合には NotePC の BIOS 設定は UEFI モードにしないとイントールできません。
Widowos10 の USB の起動イメージを BIOS+MBR で作ると、インストールした Windows10 は BIOS+MBR になってしまいます。今回は UEFI+GPT で USB 起動イメージを作成することになります。

作成した USB 起動イメージに合わせるために BIOS の設定を確認しましょう。 BIOS の設定については以前書いています。そちらを参考にしてください。

さてと。これで Windows10 のインストールが無事に完了しました。

 
2. FreeBSD 用 EFI 領域の確保
FreeBSD を ISO イメージから起動してメニューの [install] を選択して進めていくと、 Windows10 がインストールされているにも関わらず FreeBSD しかブートしない NotePC になってしまいます。 bsdinstall を利用して (それはつまりは FreeBSD をフツーにインストールする。と、いうことです) FreeBSD をインストールすると既に存在する Windows10 の EFI パーティションを上書きしてしまうからなんですね。

フツーの人 (それは takawata さん みたいにマニアではない人のこと;-) は FreeBSD はフツーにインストールすると思います。

しかし、フツーにインストールすると既にある EFI パーティションを上書きして潰してしまうので、新規に 100MB 程 EFI パーティションを作成してあげます。

Windows10 は既に起動しているはずなので、以下のコマンドを管理者権限の DOS プロンプトから実行します。

c:\ diskpart
DISKPART> list disk
DISKPART> select disk 0
DISKPART> list vol 
DISKPART> select vol 0
DISKPART> list part
DISKPART>
DISKPART> create partition efi size=100
DISKPART> list part
DISKPART> select part [番号]
DISKPART> format quick fs=fat32 label="FreeBSD-EFI"
DISKPART> assign letter="S"
DISKPART> 
DISKPART> list vol
DISKPART> list part
DISKPART> exit

 
簡単にコマンドイメージだけ書きました。

1). diskpart.exe を管理者権限で実行
2). 対象とするディスク番号を選択
3). 対象とするボリューム番号を選択
4). ディスクのパーティション状況を確認
5). いよいよ create partition で EFI パーティションを 100MB で作成
6). 作成したパーティションを選択 (番号間違えないでくださいねぇー)
7). fat32 でフォーマットして、ラベルは FreeBSD-EFI とする (お好きな文字列をどうぞ)
8). assign letter=”S” でおまじない;-)

 
これで FreeBSD の bsdinstall がアクセスする EFI パーティションが作成できました。 FreeBSD を何回インストールしても、インストール後に NotePC を再起動すると Windows10 が起動する状態になります。

上記 takawata さん の URL ではこの工程がないので Windows 側の EFI パーティションを守るために bsdinstall を利用しないで make buildworld しているんですね。あ。 takawata さんは『マニア』なのかもしれないですが、 make buildworld が好きな人なのですね。きっと;-)。

それにしても bsdinstall が既存の EFI パーティションを上書きしてしまうのが問題なんですね。メニューで上書きするかしないか選択できるようにすれば良いのに・・。

と、いうことで次は FreeBSD のインストールです。

 
3. FreeBSD のインストール
今回は FreeBSD-12.0-RELEASE-amd64-bootonly.iso をチョイスしました。もう、面倒なので Windows10 上で、やはり rufus を使い USB 起動イメージを作成しました。
FreeBSD の場合は、今度は BIOS+MBR でしか作成できません。なので、FreeBSD インストール時には今度は BIOS の設定を Legacy モードにする必要があります。

あとはフツーにインストール。パーティション分割のところで GPT を選択し、更に [Manual] を選択してHDD (最近は SSD か;-) の空き領域にインストールします。

インストールが完了してリブートします。 2. のところで書いた通り、先に FreeBSD 用 EFI パーティションを作成していると bsdinstall を利用しても Windows10 側の EFI パーティションはつぶれてないので、この時点で再起動後は Widnows10 が起動するはずです。
もし FreeBSD が起動してしまった場合は Windows10 がつぶれてしまった。と、いうことです。回復 USB メモリなどから Windows10 を復旧しましょう。

 
4. bcdedit でマルチブート設定
FreeBSD インストール後に再起動したら Windows10 が起動しましたが、インストールした FreeBSD はしっかり残っております。起動させるために Windows10 側で bcdedit を利用してエントリを作成してあげます。

以前、このブログでも BIOS+MBR 環境のときに bcdedit を利用して、Windows Boot Manager から Windows と FreeBSD をブートしていましたが、 UEFI+GPT の場合は Windows Boot Manager が利用できません。 UEFI+GPT でのマルチブート環境は Firmware Windows Boot Manager を利用してブートすることになります。

そもそも「Firmware Windows Boot Manager」とはなんぞや?と、なるのですが、簡単に言うと BIOS(UEFI) のブートセレクタです。
例えば HDD からブートするとか、CD や USB メモリからブートするとか、選択する画面は Fn キーを押してメニューを出しますが、それをどうやら「Firmware Windows Boot Manager」というようです。
CD や USB・HDD からブートするのと同じレベルのメニューに “FreeBSD” や “Windows Boot Manager” メニューが存在している状態になります。

ThunkPad の場合 (Lenovo の PC の場合) は電源投入時に F12 キーを押すとブートセレクタが現れます。メーカによっては F2 キーだったり F8 キーだったりするかもしれません。

これから、このブートセレクタに bcdedit でメニューを登録していきます。

 
まず、管理者権限の DOS プロンプトでフツーに bcdedit と叩くと「Windows Boot Manager」のメニュー画面の情報が出力されます。僕の知っていた bcdedit はこの、オプションなし状態の出力でした。

「Firmware Windows Boot Manager」の項目を表示するには以下のコマンドを打ちます。

C:\Windows\system32> bcdedit
C:\Windows\system32> 
C:\Windows\system32> bcdedit /enum firmware
C:\Windows\system32> bcdedit /enum all

 
/enum オプションをつけて、そのあとに firmware とすると「Firmware Windows Boot Manager」の項目を表示します。 all と打つと「Firmware Windows Boot Manager」と「Windows Boot Manager」の全ての項目を表示します。ここ、重要ですからね;-)。

まず、「Firmware Windows Boot Manager」に FreeBSD のメニューを追加します。

C:\Windows\system32> bcdedit /copy "{bootmgr}" /d "FreeBSD"
*** ここで UUID が表示される ***
C:\Windows\system32> bcdedit /set {UUID} device partition=\Device\HarddiskVolume2
C:\Windows\system32> bcdedit /set {UUID} path \EFI\FreeBSD\Boot\bootx64.efi
C:\Windows\system32> bcdedit /set {fwbootmgr} displayorder {UUID} /addfirst

 
以下のような雰囲気です。

1). /copy で “FreeBSD” というエントリを作成。このときに FreeBSD の UUID が割り当てられる
2). エントリ中に device を設定 (省略可)
3). エントリ中に path を設定
4). エントリ中の順番を設定

最後の 4). のエントリについて先に説明します。 /addlast で最後に追加することもできます。その場合 F12 キーを押さない場合は Windows10 が起動します。 /addfirst を指定すると先頭に追加され、 F12 キーを押さない場合は FreeBSD がブートするようになります。お好みで;-)。

上記コマンドを投入したあと、再度 bcdedit /enum firmware を叩いてみましょう。以下は抜粋です。

C:\Windows\system32> bcdedit /enum firmware

ファームウェアのブート マネージャー
--------------------------------
identifier              {fwbootmgr}
displayorder            {bootmgr}
                        {dd655fef-3160-11e9-8f42-a6c75caf7b54} <- 先頭に追加
                        {dd655fe9-3160-11e9-8f42-a6c75caf7b54}
                        {dd655fea-3160-11e9-8f42-a6c75caf7b54}
timeout                 2
<--- 略 --->
Windows ブート マネージャー                                       <- 今回追加
--------------------------------
identifier              {dd655fef-3160-11e9-8f42-a6c75caf7b54}
device                  partition=\Device\HarddiskVolume2
path                    \EFI\FreeBSD\Boot\bootx64.efi
description             FreeBSD
locale                  ja-JP
inherit                 {globalsettings}
badmemoryaccess         Yes
default                 {current}
resumeobject            {dd655fed-3160-11e9-8f42-a6c75caf7b54}
displayorder            {current}
toolsdisplayorder       {memdiag}
timeout                 30
<--- 略 --->

 
このあとに説明しますが、UEFI+GPT の場合、OS をブートさせるためには EFI パーティションにファイルを一個置いてあげる必要があります。FreeBSD の場合は、インストールされている FreeBSD の /boot/boot1.efi を上記エントリの device と path に指定したところに正しく置いてあげる必要があります。

記載内容を間違えると「Firmware Windows Boot Manager」で “FreeBSD” を選択しても何もアクションが起きません。

そして、この内容が、BIOS+MBR の頃のように

device                  partition=c:\
path                    \bootx64.efi

 
などと記載していると「Windows Boot Manager」側で認識して、ブートすると 0x000007d みたいなエラーが出力されます。

記載した内容と設置した場所を正しく一致させましょう。

 
ちなみに作成したエントリを消す bcdedit は以下になります。書いては消して、また書いて、ブートしないのでまた書いて・・。などと、いうとき用です;-)。

C:\Windows\system32> bcdedit /delete {UUID} /f
C:\Windows\system32> bcdedit /set {fwbootmgr} displayorder {UUID} /remove

 
一行目は bcdedit /copy “{bootmgr}” で作成したエントリ全てを消すコマンドです。このコマンドを実行すると「ファームウェアのブートマネージャー」からも削除されます。
二行目のコマンドは「ファームウェアのブートマネージャー」から削除するときのみ利用するコマンドです。例えば /addlast で一番最後に登録したけど、やっぱり /addfirst で先頭に登録したい。などとうとき、二行目のコマンドを実行したあとに再度 bcdedit /set fwbootmgr displayorder を叩く。と、いうときに利用します。

bcdedit で「Firmware Windows Boot Manager」に登録するコマンドはこんな感じでしょうか。

 
5. EFI パーティションにファイル設置
さてと。あと少しで環境が整います。 EFI パーティションに FreeBSD がブートするための boot1.efi を書き込んで上げます。他の PC 上で動作している FreeBSD から /boot/boot1.efi を持ってきて Windows10 側に保存して上げましょう。

まず、diskpart.exe でボリュームの確認です。

c:\ diskpart
DISKPART> list disk
DISKPART> select disk 0
DISKPART> list vol
  Volume ###  Ltr Label        Fs    Type        Size     Status     Info
  ----------  --- -----------  ----  ----------  -------  ---------  --------
  Volume 0         回復          NTFS   Partition    499 MB  正常
  Volume 1     C                NTFS   Partition    213 GB  正常         ブート
  Volume 2                      NTFS   Partition    574 MB  正常
  Volume 3                      FAT32  Partition    100 MB  正常         システム
  Volume 4         FREEBSD-EFI  FAT32  Partition    100 MB  正常         非表示
DISKPART>

 
EFI バーティションは Windows10 が作成したもの (Volume3) と FreeBSD インストール時に作成したもの (Volume4) と二つありますが、どっちを利用しても問題ありません。

Windows10 で EFI パーティションをマウントするためには以下のコマンドを利用します。

C:\Windows\system32> mountvol
C:\Windows\system32> mountvol z: /S
C:\Windows\system32> mountvol z: /D
C:\Windows\system32> mountvol z: \\?\Volume{874c2b19-1ada-4089-9a27-de7f61f38177}\
C:\Windows\system32> mountvol z: /D

 
mountvol.exe コマンドですが、オプションなしで実行するとヘルプと、下のほうにボリュームの一覧が表示されます。表示された UUID が上から順に Volume0,1,2,3,4 みたいな感じなので。色々マウントして確認してみると良いでしょう。

Windows10 が作成した EFI パーティションを z:\ に mount する場合には二行目のコマンドを打ちます。
FreeBSD のインストール時に作成した EFI パーティションをマウントするには四行目のコマンドを利用します。 mountvol のオプションなしで実行した場合に下のほうに「現在のマウント ポイントとボリューム名の考えられる値:」で表示されたマウントポイントの *どれか* を指定します。
diskpart.exe の list vol や list part と見比べてじっくりと判断してください;-)。

ちなみに mountvol z: /D は umount するオプションです。

 
今回は FreeBSD インストール時に作成した EFI パーティションは利用せず、Widnows10 側の EFI パーティションを利用します。

C:\Windows\system32> mountvol
C:\Windows\system32> mountvol z: /S
C:\Windows\system32> z:\
z:\> mkdir EFI\FreeBSD\Boot 
z:\> cd EFI\FreeBSD\Boot 
z:\> copy c:\boot1.efi ./bootx64.efi
z:\> dir
z:\> c:\
C:\Windows\system32> exit

 
mountvol で Widnows10 の EFI パーティションを z: に mount します。 z:\ に行くと既に EFI というディレクトリが掘られています。そこに FreeBSD 用のディレクトリを作成し、c:\ に置いた boot1.efi という FreeBSD から引っこ抜いてきたファイルを bootx64.efi として保存します。
途中、ls ではなく dir コマンドで色々確認しつつ作業を行ってください。 設置場所は bcdedit コマンドで指定した device と path の各オプションと一致していることが重要です。

ちなみに mountvol で EFI パーティションをマウントしていると bcdedit /enum firmware で確認した場合の device パラメータの表示が変わってきます。 mountvol で mount している状態のほうが確認しやすいです。

 
さてと。これで全ての準備が整いました。Windows10 側でリブートしましょう。 /addfirst を指定した場合は NotePC 再起動後にスルスルっと FreeBSD が起動するようになります。

やったっ!!

もし FreeBSD が起動しなかった場合は bootx64.efi の設置場所が bcdedit で指定したものと合っているかじっくりと確認してください。

僕の場合ですが、大失敗・・。 copy c:\boot1.efi ./bootx64efi とやっていました・・。orz
これじゃ起動しません。rename bootx64efi bootx64.efi として事なきを得、無事に FreeBSD が起動したのでありました。ふぅ。そして、パチパチパチ。

 
6. 電源投入で FreeBSD 起動
さてと。僕の場合 ThinkPad E145 は FreeBSD メインで利用し、時々 Windows10 を利用する形態なので bcdedit /set {fwbootmgr} displayorder {UUID} /addfirsst で登録しました。これだと電源投入後はサクっと FreeBSD が起動します。

Windows10 を起動したいときには NotePC の電源投入後に F12 キーを押してブートセレクタを表示して「Windows Boot Manager」を選択すると Windows10 が起動するようになります。

 
さてと。最後に FreeBSD 12.0-RELEASE についてちょっと書いておきます。

今まで僕はずっと BIOS+MBR な FreeBSD しか使ったことがなかったのですが、今回初めて UEFI+GPT な FreeBSD を使うことになります。
一番上で書いた /dev/psm0 が resume 後に psm0: failed to get status となって使えなくなった事象は解決しました。やっぱり FreeBSD の ACPI 周りはどんどん UEFI に傾倒して行っているのね。と、再確認できました。

あと、ThunkPad E145 など AMD のグラフィックスチップ使っている PC 限定かもしれませんが、グラフィックスチップは graphics/drm-fbsd12.0-kmod で認識しています。今までは radeonkms.ko を指定していましたが、これを利用するとカーネルパニック頻発です。 amdgpu にしたら安定しました。 UEFI ブートとは相性が良くないみたいですね。 pkg-message にも書かれています。

しかし、 UEFI にしても acpi_video.ko が使えない状態なのは変わらず。なので、ディスプレーの明るさは変えられません。 AMD グラフィックスチップの悲劇か・・。

 
とまぁ、ツラツラと書いてみましたが UEFI+GPT にした PC において Windows と FreeBSD のマルチブートについて書いてみましたが、大きな点としては

1). bsdinstall は Windows 側の EFI パーティションを潰してしまう
2). 「Windows Boot Manager」ではなく「Firmware Windows Boot Manager」でマルチブートを実現

でしょうかね。

1). のほうは僕も過去に実はずいぶんとハマりました。どうして Windows10 が起動しないのだっ!!?? みたいな・・。知っている人はちらほらいるみたいですが、僕は Slack のとあるコミュニティで FreeBSD のエラい人に教えてもらいました。 FreeBSD のインストールのために EFI パーティションを一個作成する。ってことがミソですね。

ちなみにですが、/boot/boot1.efifat が、ここで書いてきた FreeBSD インストール前に作成した EFI パーティションの中身です。
bsdinstall が Windows10 側の EFI パーティションを boot1.efifat で上書きしています。 FreeBSD インストール前に EFI パーティションを作成すると bsdinstall は FreeBSD インストール前に作成した EFI パーティションに対して /boot/boot1.efifat が書き込まれ Windows10 側の EFI パーティションは無傷です。

mountvol z: \?\hoge\ で FreeBSD 側 EFI パーティションも mount できるので確認してみるのも良いかも。

2). のほうはある意味目ウロコですね。 Windows Boot Manager を捨ててその一個前のフェーズで FreeBSD をブートしてしまう。 grub とか、他のブートマネージャは不要で bcdedit でなんとかしてしまう。ってことになりますね。

FreeBSD インストール前に EFI パーティションを一個作って、 bcdedit /enum firmware のコマンド群で制御。

この二つが今回は大きな収穫でした。これで UEFI な PC でもマルチブートは大丈夫っ!! 新しい NotePC 買おうかなー;-)。

9月 092018
 

僕が利用している ThinkPad E145 はカーネルがずっと 10.1-RELEASE のままで、ユーザランドが 10.4-RELEASE だったりしていました。これは以前にも書いていますが suspend/resume が動作しなくなる。resume 後にバックライトの調整ができなくなるため、しかた無く。の対応だったんですね。

あと、ThinkPad E145 はグラフィックスカードに Radeon HD 8330 を利用していて、このチップは radeonkms.ko では未対応で Xorg のドライバでは VESA を利用していたんですね。

そして、 KDE5 は 10.4-RELEASE でコンパイルしたものは、コンパイルしたバージョンとは違う 10.1-RELEASE 上では動作しない。と、いうことになり、そろそろ新しい NotePC を買うことを考えていたところに drm-next-kmod がバリバリと動作する。 Radeon HD 8330 も radeonkms.ko で動作するようだ。と、いうので 10.1-RELEASE から 11.2-RELEASE にいっきに上げてみることにしました。

と、ここまでが前振りです(^^;;。
freebsd-update でいっきに 11.2-RELEASE にして pkg delete -a で古い packages を削除したあとに 11.2-RELEASE でコンパイルした KDE5 一式をドドドとインストール。その他 NotePC に必要なモノをインストールします。

そして、今回はそこに graphics/drm-next-kmod をインストールします。 /usr/ports/graphics/ の下を見ると、全部で以下があるようです。

・drm-devel-kmod/
・drm-legacy-kmod/
・drm-next-kmod/
・drm-stable-kmod/

まぁ、見て、雰囲気が大体解ると思われますが;-)。

graphics/drm-next-kmod をインストールすると /boot/modules/ の中がずいぶんとにぎやかになります。

この中から radeonkms.ko を見つけ出してブート時に kldload するように、/etc/rc.conf に設定します。

# --- kernel module load --- #
kld_list="/boot/modules/radeonkms.ko"

 
radeonkms.ko は今回 graphics/drm-next-kmod でインストールしたモノと別にシステム標準の /boot/kernel/radeonkms.ko があります。 /boot/loader.conf に radeonkms_load=”YES” と書くとシステム標準のカーネルモジュールがロードされてしまうため、上記のように記載します。

インストールが完了したあとは /etc/X11/Xorg.conf を編集してあげます。最近は /usr/local/etc/X11/xorg.conf.d/ 内にドライバ・キーボード・マウスなど、個別のファイルを用意して /etc/X11/Xorg.conf は書かない。ってのが流行みたいですねぇ。まぁ、どっちにしろ Section “Device” の項を書き換えます。

Section "Device"
        Option      "TwinView" "true"
        Option      "TwinViewOrientation" "LeftOf"
#       Option      "RegistryDwords" "EnableBrightnessControl=1"
        Identifier  "Card0"
#       Driver      "radeon"
#       Driver      "vesa"
        Driver      "modesetting"
        BusID       "PCI:0:1:0"
EndSection

 
Driver radeon は動作しないので、しょーがない。今までは Driver vesa で使っていたのですが、今回 graphics/drm-next-kmod にしたので Driver modesetting にしました。最近の Xorg は賢くなって色々なモノを自動認識するようになり、デバイスにあったカーネルモジュールをロードしてくれるようです。

と、いうことで上記の設定ができたらリブートしましょう。
リブート後、僕の ThinkPad E145 では以下のカーネルモジュールがロードされるようになりました。 linuxkpi.ko が今回のカナメでしょうかねぇ。

--- <上略> ---
23    1 0xffffffff82421000 15d6d9   radeonkms.ko
24    1 0xffffffff8257f000 74b70    drm.ko
25    4 0xffffffff825f4000 edc8     linuxkpi.ko
26    3 0xffffffff82603000 114b8    linuxkpi_gplv2.ko
27    2 0xffffffff82615000 6b8      debugfs.ko
28    1 0xffffffff82616000 23f8     radeon_kabini_pfp_bin.ko
29    1 0xffffffff82619000 23f8     radeon_kabini_me_bin.ko
30    1 0xffffffff8261c000 23f8     radeon_kabini_ce_bin.ko
31    1 0xffffffff8261f000 43f8     radeon_kabini_mec_bin.ko
32    1 0xffffffff82624000 2a78     radeon_kabini_rlc_bin.ko
33    1 0xffffffff82627000 12e8     radeon_kabini_sdma_bin.ko
34    1 0xffffffff82629000 38eb0    radeon_bonaire_uvd_bin.ko
35    1 0xffffffff82662000 13328    radeon_BONAIRE_vce_bin.ko
36    1 0xffffffff82676000 37528    linux.ko
37    2 0xffffffff826ae000 2d28     linux_common.ko
38    1 0xffffffff826b1000 31e50    linux64.ko
--- <以下略> ---

 
Xorg を起動し、ログインマネージャの x11/sddm を起動し KDE5 にログインします。そして、 「KDE システム設定」から[ディスプレイとモニタ]->[Compositor]ときて、[レンダリングバックエンド]を確認します。VESA ドライバを利用していたときは選択できるのは xdandr のみだったのですが、今は OpenGL2.0 や 3.1 が指定できます。おぉっ!! これで 「ゆれるウインド」とか「魔法のランプ」などが利用できるようになるっ!!

ってんで、 graphics/drm-next-kmod の恩恵が受けられるのでありました。

 
で、次のステップですが、 まだ、以下の二点が残っております。

・suspend/resume はちゃんと動くの?
・バックライトの明るさ調整はできるの?

まず、suspend/resume についてですが、最初の 1,2 回はフタを閉じた段階でシステムごとフリーズしていたので『むむむ。 graphics/drm-next-kmod は suspend/resume に対応してないのか?』などと思ったのですが、ロードするカーネルモジュールとかその他設定を見直すことで無事に suspend/redume が動作するようになりました。

ThinkPad E145 では acpi_video.ko はまともに動作してないので利用していません。 acpi_ibm.ko はバックライト調整はできないけどボリューム調整はできるのでロードしています。

 
次にバックライト問題ですが、これは、本家でも wiki の掲載があるほどなので、ことは一大事なのでしょうなぁ。

https://wiki.freebsd.org/Graphics/Brightness

ここに書いているのは一通り試しました。上にも書いた通り ThinkPad E145 は Radeon HD 8330 なので intel_backlight (ports 的には graphics/intel-backlight) を使うと Device not found. です。あら。つべたい。

accessibility/sct はオプションの数値を変えると色が変わるので、 LCD brightness とはちょっと違う。

で、結局、僕は xrandr を使うことにしました。xrandr は VESA ドライバを利用している頃はまともに動作しなかった (Can’t open display と表示される) のですが、 graphics/drm-next-kmod を使うと無事に動作するようになりました。

まず、以下のコマンドを打ってディスプレー名を取得します。

$ xrandr --listmonitors
Monitors: 1
 0: +*LVDS-1 1366/256x768/144+0+0  LVDS-1

 
最後の LVDS-1 が重要で VESA ドライバを利用していた頃はこの値が表示されず xrandr で明るさの調整ができなかったんですね。今回 graphics/drm-next-kmod を利用することによりちゃんと動作するようになりました。ここまで来ればラクショーです。あとは以下のようにコマンドを打って画面の明るさ調整をすれば良いだけ。

$ xrandr --output LVDS-1 --brightness 0.8

 
今動作している明るさが 1 で、それよりも暗くしたい場合は 1 以下の数値を小数点で指定し、更に明るくしたい場合は 1.2 とか指定すれば良いです。

雰囲気的には機械的にバックライトを調整するのではなく、画面の色をグレーにすることで暗くなったように見える。と、いう機能ですね。ハードウェア的にバックライトを暗くしてないのでバッテリー運用のときは要注意って感じでしょうか。

 
と、いうことで CPU/GPU 共に AMD な NotePC である ThinkPad E145 ですが、

・11.2-RELEASE にした
・graphics/drm-next-kmod で Radeon HD 8330 を認識してくれる
・KDE5 が使えるぞぉ (これは当たり前;-)
・suspend/resume ができる
・バックライト調整も一応できる

と、いう状態になり、ほぼほぼ満足な結果です。細かく言うと

・キーボードが 101 のままだぁ
・マウスの動作があやすぃー
・音の出るところ調整(スピーカーかイヤホンか)

など、ありますが、それらは Xorg の設定で調整するもヨシ。KDE5 側で設定するもヨシ。と、いう状態なので、道は色々あります。それらを一応全て解決できたので、僕の ThinkPad E145 は壊れなければあと 4,5 年は持つような気がしてきました;-)。

3月 112017
 

僕が持っている ThinkPad e145 は FreeBSD がインストールされていて、 suspend/resume するんだけど、resume 時、それはつまり目覚めたとき、パカっとフタを明けたときに default gateway が消えていたりして、ネットワーク的にはちょっと問題があったんですね。
まぁ、目覚めたあとにいつも route add していたんですけども。

そんなこんなで、resume 後に route add が必要なわけ、挙動をいよいよ調査してみることにしたんですね。

僕の FreeBSD の環境は以下です。

・FreeBSD/amd64 10.1-RELEASE
・ネットワーク環境は USB 接続の run0 -> wlan0

OS はまたもっと面白いことになってます。カーネル は 10.1-RELEASE でユーザランドが 10.3-RELEASE です。やってはいけない環境で動かしている。と、いうことですね。どうしてこんな環境で動かしているかについてはあとで少しお話します。

今の話題は resume 後に routing テーブルが消えている点についてですね。話を元に戻しましょう。

 
suspend して、その後 resume したときに起き上がってきた FreeBSD の動作ですが、だいたい以下のようになっているようです。

0. 実は suspend 時に USB デバイスが全部抜去される
1. resume 後に USB を認識してデバイスが接続される
2. resume 後に /etc/rc.resume が動く
3. devd が色々良きに計らってくれる (僕の環境では webcamd の再起動と pccard_ether のすーたと)
4. 自分で記述したスクリプトの動作
5. /etc/rc.resume の終了

まぁ、こんな感じですが、問題は 5. ですかね。

suspend で USB 機器が外されたということはつまりは wlan0 が無くなった。と、いうことなので、これで routing テーブルは全て消えます。
その後 resume して USB 機器が接続され wlan0 が認識され、wpa_supplicant が動き出してネットワークインターフェースには IP アドレスが付加されるようになります。

じゃぁ /etc/rc.resume の中で route add すりゃいんじゃね?

とか思うんですが /etc/rc.resume 内で route add してもそのときはまだ wlan0 に IP アドレスが付く前なので意味無いんですよね。

じゃぁ /etc/rc.resume の中で route add する前に sleep 30 とかすりゃいんじゃね?

とか、次に思いますよね。ところがっ!! /et/rc.resume はちょっとおかしな動作をしていて、 /etc/rc.resume が動作し終わったあとに wlan0 に IP アドレスが付加されるようです。

なので /etc/rc.resume の中で

sleep 30
route add default 192.168.1.1
route add -inet6 default fe80::1

 

などと書いても全く意味ない状態です。では、どうするか?と、いうと、上記の部分をスクリプト、例えば /usr/local/bin/routeadd.sh などとして準備します。
/etc/rc.resume には以下のように書きます。

/usr/bin/logger -t $subsystem route add default.
/usr/local/bin/routeadd.sh &

 

ここで注意しなければならないのは、スクリプトを記載したあと、最後に “&” を付けてバックグラウンドで処理させる必要があります。
動作的には /etc/rc.resume の実行後に wlan0 に IP アドレスが付くので /etc/rc.resume が実行中に sleep 30 してもまるで意味なくて route add されない状態です。なので “&” を書いてバックグラウンドに飛ばして、バックグラウンドのスクリプトが sleep 30 している間に /etc/rc.resume が終了して wlan0 に IP アドレスが付いたあと、 sleep 30 が終わり route add されるようにしないとダメなのであります。

この現象は USB NIC を利用しているからかもしれません。
動作的に resume 後に routing デーブルが消えていて、毎回、自分で route add 打つのが困難な人は上記のようにすれば良いのではないかと思います。

 
で、もう一個のネタを簡単に。

上のほうにも書きましたが、僕の ThinkPad e145 上で動作している FreeBSD はカーネル は 10.1-RELEASE でユーザランドが 10.3-RELEASE です。これ、FreeBSD の動作保証対象外の構成らしいですね。カーネルは新しく、ユーザランドが古い場合には問題ないらしいですが・・。

どうしてこんな環境で動かしているかというと ThinkPad を使っている人は 10.2-RELEASE 以降、suspend して resume したら LCD の明るさが最大になってしまい変更できなくなってしまったんですね。
10.1-RELEASE までだと Fn7,8 などで明るさが変更できた。 acpi_ibm や acpi_video がなくとも変更ができた。しかし、10.2-RELEASE 以降では Fn7,8 ボタンが効かなくなって、acpi_ibm の dev.acpi_ibm.0.lcd_brightness も有効にならなくて acpi_viode の hw.acpi.video.lcd0.brightness も使えなくなった。
resume 後に明るさを変えることができなくなったので、僕はいつまでもカーネルは 10.1-RELEASE を使い続けている。と、いうことです。

あと、別の手段としては ports から sysutils/acpi_call/ をインストールして ACPI のパラメータを表示したり変更したりできるようですが \_SB_.PCI0.VGA.LCD._BCM なパラメータなどをいじったりするなど、ちょっと試してみましたがダメでした。

acpi_call のコマンドイメージをちょっと書いておきます。使うには kldload acpi_call.ko する必要があります。

# acpi_call -vp '\_SB_.PCI0.VGA.LCD._BCM' -o i -i 50
Path: \_SB_.PCI0.VGA.LCD._BCM
Number of arguments: 1
Argument 1 type: Integer
Argument 1 value: 50
Status: 0
Result: 1

 
acpidump -d の結果を確認すると _BCM ってのが “Brightness Control Method” らしいです。他にも _BCL ってのがあって、こいつは “Brightness Control Levels” らしいです。
acpi_call で _BCM の値を 50 に変更してあげる。ってのが上記のコマンドと、その結果です。
しかし、値は反映されない・・。 orz

 
ThinkPad でも Nvidia のグラフィックスカードを利用しているヤツは Nvidia のツールで画面の明るさを変えられたり Intel の場合は graphics/intel-backlight/ などで画面の明るさを変えられるらしいです。
僕の ThinkPad e145 は Radeon のチップなので・・。orz

多分 10.2-RELEASE 以降で ACPI 周りに変更が入ったのでしょうなぁ。

ThinkPad e145 は BIOS モードと UEFI モードの両方で 11.0-RELEASE で試しましたが画面の明るさは変えることができませんでした・・。

と、いうことでももうしばらく、ってか、壊れるまで? 10.1-RELEASE の利用は続きそうです・・。

11月 182013
 

連チャンで ThinkPad e145 のネタですみません。 FreeBSD ネタはこれが最後です。無事に suspend/resume ができることを確認しました。

前回のエントリ「FreeBSD で suspend/resume するかの確認方法。
前々回のエントリ「ThinkPad Edge e145 で利用する FreeBSD。

上記二つのエントリで「あれ? suspend/resume が動かないなぁ。」とか思っていたのですが、色々見なおしたら無事に動作するようになりました。見なおした点は以下の通り。

・カスタムカーネル
・/boot/loader.conf
・/etc/sysctl.conf

カスタムカーネルと /boot/loader.conf はまぁ、ほぼ連動しているという気がするのですが、それ以外にも /etc/sysctl.conf を見直しました。これらの設定は 9.2-RELEASE が動作していた Thinkpad X100e から引き継いだ情報だったのですが、同じ設定内容では e145 は suspend/resume しない。と、いうことですね。

上記三つのファイルを以下の URL に置いておくのでもし良かったら参照してみてください。

カスタムカーネルコンフィグ
/etc/loader.conf
/etc/sysctl.conf

色々なファイルを消したり書いたり、色々なパラメータを追加したり削除したりを繰り返したのですが、上記の設定で安定して suspend/resume するようになりました。カーネルモジュールのロードではなく kenv などの設定のほうだと思っているんですけども。
実際に的確に原因を特定したわけではありませんが、僕的には hw.pci.enable_io_modes などが怪しいのかなぁ? とか思ったりもしたのですが、本当に特定はできていません。

 
resume から返って来た FreeBSD ですが、比較的簡単な問題点が二点。

・サスペンド時には X 上で動作していたマウスがレジューム後には動作しなくなります。/etc/rc.resume 内で /etc/rc.d/moused restart すれば良いでしょう。
・レジューム後に画面がやたらと明るくなってしまいます。 Fn+F7 で暗くしてあげてください。
・KDE4 を利用している人は「電源の管理」にサスペンドの情報が渡らなくなりました。 KDE4 側で自動休止とかできなくなったのがちょっと悲しいかな。

いじょ;-)。

と、いうことでこれで FreeBSD をバリバリ利用できる NotePC になりました。新製品で出たばかりの ThinkPad Edge e145 ですが、無線 LAN とか SD Card Reader とか動かない機器もありますが、まぁ、ヨシとしておきましょう。グラフィックスは vesa ですけど、驚くほど速く動作します;-)。

僕的には X100e に続いて中々使える NotePC。 になりそうです。

11月 122013
 

いやー。前回のエントリでは Windows と FreeBSD がなんとかマルチブートできる環境が構築できた。というエントリでしたが、ここでは実際に freeBSD を利用してみた感想を書いてみたいと思います。

 
1. OS のチョイス
今回は UEFI+GPT に対応していない FreeBSD/amd64 9.2-RELEASE をチョイスしました。インストール方法は前回のエントリに書いているのでそっちを参照してください。

本当は FreeBSD/amd64 10.0-BETA3 でも良かったのですが、僕の環境で利用している FreeBSD はほぼ全てが /amd64 9.2-RELEASE なんですね。何が良いかと言われれば pkgng の恩恵をごっそりと受け継げることができる。と、いうことですね;-)。

まず先に pkgng のことをちょっと書いておきましょうかね;-)。

デスクトップ PC で稼働している FreeBSD を pkgng 化して packages をドドドと作成します。2,3 の設定は以下の通り。

・/usr/ports/ports-mgmt/pkg をインストール
インストール後は pkg2ng を実行しろ。というので実行します。まぁ、新規インストールな状態なのでサクっと終わりますが;-)。

・/etc/make.conf に以下の行を追加
ここいらの設定はあちこちに書いてありますね。

WITH_PKGNG=yes

 
・packages の作成
そもそも KDE4 などの統合デスクトップ環境をインストールすると 800 個近い packages がインストールされています。インストールされたこれらを package 化します。以下はそのスクリプトです。

#!/bin/sh
pkg info | grep $1 | awk '{print "pkg create -f tbz -n -g -o /usr/ports/packages/All " $1}' | sh -x

 
一行野郎ですが、これを例えば pkg-create.sh という名で保存し、実行時には ./pkg-create.sh kde などとオプションを指定すると kde と付いた pkg info で表示される全てが packages 化されて /usr/ports/packages/All/ に格納されます。
ただ、関連性のあるプログラムまでは packages 化してくれないのであとからチマチマこのコマンドを実行する必要があるかもです;-)。

 
・packages のインストール
新しくインストールした ThinkPad e145 上の FreeBSD は同じく pkgng 化したあとに NFS でマウントした /usr/ports/packages/All/ に cd して、そこで pkg add kde* などと打つとドドドとインストールしてくれます;-)。

ただ、この pkg add するためには設定ファイルを一個用意して置く必要があります。
/usr/local/etc/pkg.conf というファイルを一個用意してあげます。

# cd /usr/local/etc
# echo "packagesite: http://pkg.freebsd.org/${ABI}/latest" > pkg.config

 
/usr/local/etc/pkg.conf.sample と、いうファイルがありますが、とりあえず一行だけ書いたファイルを置いてあげると pkg add が動き出します。このファイルが無いと pkg add はスルっと終わってしまい packages をインストールしてくれません。
packages 自体はこのファイルに書いたホスト名など、リモートから取って来なくてカレントデイレクトリの packages を利用したいので、これで十分です;-)。

以上で新規にインストールした FreeBSD の環境が整いました。早いです;-)。

 
2. 動くデバイスと動かないデバイス
packages がドドド入ったので X を起動したり色々やる準備が整いました。で、まず、動かないもの(デバイス)を書きましょうか。

・Wi-Fi: Broadcom (多分 BCM943142HM)
・Bluetooth: Broadcom 製 USB 経由 で 4.0 対応
・SD Card Reader: Realtek 製

これらはダメですね。 FreeBSD 側にドライバが無いようです。あと、渋いところでいうと AMD の SUBus が認識しない。この辺りについては pciconf -lv を置いておきますのでそちらを参照して頂ければと思います。

続いて X ですが、 e145 の CPU というか APU は A4-5000 で Radeon HD 8330 な GPU ですが、以下の URL で確認すると・・。

https://wiki.freebsd.org/AMD_GPU
https://wiki.freebsd.org/Graphics

と、いうことで Radeon HD 8000 番台は “Not supported” だそうです。残念ながら VESA 決定ですね。最後に要らないとは思うけど、xorg.conf を付けておきます。
タッチパット・トラックポイント共に動作する設定が入っています。

 
動くもので気がついたのを書いてみます。

・suspend/resume する (あれ?しなくなった。ちょっち調査中)
・テンキーで画面の明るさ変更が可能
・音は出る
・USB カメラは webcamd+cuse4bsd+pwcview で動きます

くらいかな?

 
試してないものは以下の通りですが、これは多分 Xorg とか KDE4 の機能に引っ張られると思うなぁ。あとで確認してみよう。

・D-SUB 15pin/HDMI/LCD があるけど、三画面出力とか可能なのかな?
・バッテリーの持ち状況とかまだ確認してないです

あと、以前の「PRIMERGY MX130 S2 を FreeBSD で利用する。」というエントリで「hwpstate0: set freq failed, err 6」というメッセージが延々と出力される。と書いたことが有りましたが、この NotePC でもやはり表示されます。回避策は上記エントリに書いてあるのでそのパッチを適用しました。

 
実際に ThinkPad Edge e145 を FreeBSD で利用してみた体感的な感想をちょっと書きます。比較は ThinkPad X100e とですが、実測値とかなくてすみません。

・CPU は 2Core から 4Core になったので余裕を感じます。あと、 CPU の温度が低いですね。ファンが唸りを上げて回るというのはまだ体験していません。その点からするとたとえ遅くとも「良いんじゃね;-)。」と思えます。
・Xorg が VESA でしか利用できないのが痛いかなぁ。とか思ったのですが、最近の VESA は以前よりも進んでいますね。以前は 1024×768 を 1366×768 横方向に拡張して表示してくれていたのですが、今の VESA はちゃんと画面のサイズでで表示してくれます。 2D のみなら VESA でも我慢できるかなぁ。と、いう感じかな。

しかし、KDE4 の「デスクトップ効果」では xrandr を利用してウィンドの透明化とか全仮想デスクトップの表示とかが動きます。あれあれ? VESA でも今は十分に動いているよ。状態です。 ThinkPad X100e の頃の VESA とは随分と違い驚いています;-)。

 
とまぁ、こんな感じですが、これは続くかどうかわかりません;-)。

ThinkPad X100e の場合は枯れた技術を利用した新製品の NotePC でしたが、今回購入した e145 は最新鋭の NotePC になるので X100e の頃よりは色々と楽しめそうです;-)。

と、いうことで ThinkPad Edge e145 で FreeBSD/amd64 9.2-RELEASE をインストールして動作している状態の情報を提示します。

起動時の dmesg
pciconf -lv の結果
sysctl -a の結果
vesa だけど xorg.conf

皆さんも是非 FreeBSD を PC ネーテブで動かしてみてください;-)。

9月 102012
 

普段から利用している ThinkPad X100e ですが、こいつは Windows7 と FreeBSD/amd64 9.0-STABLE のマルチブートで利用していました。ところが、 FreeBSD 側で利用していたら GEOM がエラーを吐き出すようになってきて、どうやら HDD がご臨終のようです。
シングルユーザでブートして fsck -y を走らせても完走しないしないので、いよいよ HDD を交換することにしました。
#この前の段階でバックアップは既にバッチリ取っといてある;-)。

で、せっかくの機会なので Intel の SSD にしてみました。選択したのは INTEL 330 Series SSDSC2CT120A3 300i で 128GB モデルです。 ThinkPad X100e に最初から付いていた HDD は 東芝製の 2.5 インチ 320GB 、 5400 回転のやつでしたが、それを交換しました。

ThinkPad X100e の HDD 交換は NotePC の裏蓋のネジを外してパカっと開けるともうアクセスできるのでそこですかさず交換です。非常に簡単に HDD を交換できます。

WindowsOS 部分には 50GB 、 FreeBSD 側には 60GB にしました。ちなみに WindowsOS は Windows8 をインストールしました。

まだあまり使い込んではいませんが、実際に両方の OS での動作確認をしてみたいと思います。

1). Windows8
Windows8 は 64bit 版をインストールしました。まぁ、フツーに起動した。と、言う感じでしょうか;-)。 ThinkPad X100e のデバイスは割とサクッと認識してくれました。認識していないのは多分 3G のチップだと思います。これは Windows7 のドライバをインストールしようと思っていますがまだ試していません。

あと、 Lenovo の診断ツールとかもまだインストールしていないです。無事に動作するのかな?

で、 Windows エクスペリエンスですが、こんな結果になりました。

windows8_status.jpg

SSDに交換した以外は以前と変わらないのでこんな感じでしょうかね;-)。

2). FreeBSD/amd64 9.1-PREPELEASE
フツーにインストールしてサクサク動作しています。まぁ、特に気にすることもなく。と、いう感じでしょうか。僕の持っている ThinkPad X100e は suspend/resume するというのは以前書いていますが、今回も特に問題なく動作します。

今までは 2012/05/17 くらいの 9.0-STABLE を使い続けていたのですが、いよいよ最新版の 9.1-PREPELEASE にしてしまった。と、言う感じでしょうか。

KDE-4.8.4 の『電源管理』から suspend すると X のスクリーンセーバまでかかってくれます。すげ;-)。

if_iwn の Intel(R) PRO/Wireless 6250 は相変わらず動作が不安定ですね。 USB NIC の if_run は必須な状態です・・。orz

3). Windows8 と FreeBSD の同居
320GBの HDD から 128GB の SSD に変更し WindowsOS は 7 から 8 に変わりました。マルチブートの設定についてですが Winsodws8 側で bcdedit で書き込んであげる必要があります。

Windows8 のインストールが終わって FreeBSD/amd64 9.0-R のインストールが完了した時点では FreeBSD しか起動しなくなります。

この状態で、まず最初に試したのが FreeBSD 8.3-R の CD-ROM を持ってきて MBR にブートマネージャをインストールしてみました。 Windows7 ではブートしてくれていたのですが Windows8 ではまるっきりダメですね。 Windows8 がブートしなくなったので Windows8 のメディアでレスキューとか復旧を色々試しましたがダメだったので結局で再インストールしました。

Windows8 の再インストール後は管理者権限の DOS プロンプトから bcdedit で起動情報を設定してあげます。以前このブログでも掲載しているのでそのやり方と全く一緒で OK です。

Windows8 のブートローダはバーチャルマシンイメージが起動できたりと色々なモノがブート可能になっているのが面白いですね。

あと、 default で Windows8 をブートするようにしていると NotePC の起動直後に Windows8 のマークが表示されて Windows8 の GUI なブートメニューが表示されます。 FreeBSD を default ブートにすると Windows7 の時のようなテキストベースのブートメニューになります。

Windows8 のブートローダから FreeBSD を選択すると、いきなり BIOS のトップ画面が表示されたりするのでこれまた中々焦るというか面白い現象ですね;-)。

とまぁ、こんな感じで HDD からSSD に変更したのですが、ネタ的には Widnows8 とのマルチブートについて。になってしまったでしょうかねぇ;-)。

皆さんも Windows8 で色々検証したり遊んでみてくださいー;-)。

あ。本当に最後に一点。 bcdedit は、くれぐれも管理者権限の DOS プロンプトから実行してください。管理者権限の PowerShell から実行してもまるでコマンドを受け付けてくれません・・。orz。

4月 102012
 

いやはや。僕が利用している NotePC は以前のエントリにも書いたかもしれないですが ThinKPad X100e です。この NotePC は AMD の CPU を利用していて E-350 です。時々熱がこもって ACPI shutdown が走ったりするんですけども、NotePC では唯一 X11 の drm が動作する VESA ではない(ドライバは xf86-video-ati を利用しています)最後の NotePC なのではないかなぁ。と思っているところですが;-)。

で、この NotePC は現在 FreeBSD/amd64 9.0-STABLE がインストールされているんですが、つい最近までは suspend/resume しなかった。9.0-PRERELEASE までは suspend/resume していたんだけど、その後 RC になってからは ACPI 周りの問題からか、acpiconf -s3 すると resume はブラックアウトでフリーズ、あげくの果てには AC コンセントを抜き差ししないとブートさえもしてくれない状態だったので、もう本当にある意味あきらめていたんですけどね。

さすが CURRENT および STABLE は『生もの』ですね。 2012/04/07 辺りの 9.0-STABLE を csup して make build world と install したら見事に suspend/resume が復活しました。パチパチパチ;-)。

今回はその様子を動画に撮ってみたのでちょっと公開してみましょう;-)。こんな感じ。一分07秒の動画です。


20120410.jpg

※ “再生アイコン” が見えない表示されないブラウザの場合は上記写真をクリックしてください。

いやね。雰囲気的に resume は MacBook に近い動作をします。以下、寝て起きる上記の説明です。

1. Fn+F4 で suspend します。
2. X の画面からコンソールの画面にひとまず落ちてから寝ます。
2. 手前の緑の LED が二個点きました。右側が「スリープ状態」を示しています。
3. フタを明けて resume。緑の LED は一個だけの点灯になります。
4. resume 後は X が即座に表示され早速利用可能。
5. USB Wi-Fi の run0 を利用していますが、その LED が点滅し、しばらく後に利用可能。

とまぁ、動画的にはこんな感じで suspend/resume します。上記で「MacBook に近い動作」と書いたのはフタを明けてから利用できるようになるまでの時間のことを言っています。フタを明けるとただちに X が動作するのはこれまたすごいっ!! 今までの FreeBSD にはちょっと無い体験でした。

後、何回 suspend/resume をしても特に問題なくちゃんと寝て起きてくれます。 jobs の言うところの “It just works.” って感じでしょうか;-)。

で、まだあまり試していないのですが、一点問題があるように感じます。一番最初。電源投入後、一回目の suspend だけはどうやら Ctrl+Alt+F1 で X を後ろに飛ばしてからコンソールで acpiconf -s3 を打つ必要があるみたいです。で、その時の resume はちゃんと起きて Ctrl+Alt+F3 辺りで X の画面を戻したあと、以降は Fn+F4 で寝て、そして起きてくれるようになります。この辺りがまぁ、なんちゅーか本中華なんですが、もしかしたら僕の気のせいかもしれません;-)。

で、これだけサクサク suspend/resume が動作するんだから KDE4 の電源管理で Windows7 みたいに一定時間後には寝てくれるんかいな?などと、ちょっと思ってしまうのでありますが、実際に試してみました。

PowerProfile_1.jpg

KDE4 のコントロールパネルから「電源管理」メニューで色々設定してみます。あと、タスクバーにも電源管理アイコンがあって、ここからレジュームとかハイバネードとかシャットダウンとかあるんですけどね。

今回は PowerSave の設定で 10 分後に「スリープ」と設定して放置してみました。

あたたた・・。サスペンドはしてちゃんと寝てくれます。しかし、レジューム(起動)時には X がブラックアウトしていまいました。ただし、カーネルは死んでないので ACPI S5 ステートとかリモートからの ssh は可能なので本当に X の画面のみが見えない状態。と、いう感じでした。これは上で書いたタスクバーの電源管理から「スリープ」ボタンを押した時と同じ動作でした。

と、いうことは FreeBSD 単体ではサクサク suspend/resume するけど、 KDE4 経由の電源管理ではまだもう少し頑張りが必要だね。と、いう感じでしょうか。

けどもまぁ、そこまで贅沢は言いません。これだけサクサク、何回も suspend/resume してくれるのであれば全然問題はありません。今まで suspend/redume が動作するのは二回まで。三回目に起きた時には画面はブラックアウトだっただけにずいぶんと進歩してそして非常に嬉しいのであります。

上にも書いたとおり、CURRENT や STABLE は生ものです。次回 csup してカーネルを作り替えたら動作しなくなるかもしれません。なので、今回の環境は非常にじゅーよー。みたいな。この環境でずっと使い続けたい気分です;-)。

なお、今回はこのブログ初の動画でしたが、今後は機会があれば色々、動くものを掲載して行きたいと思います;-)。

10月 072010
 

ThinkPad X100e の三回目です。これで最後になるか?! と、言う感じなのですが、僕がこの X100e を購入した後に Lenovo から新製品が出たり DELL から AthonII X2 な CPU の NotePC が出たりしてちょっと悲しいことが続いている、つまりはまぁ、僕が購入したタイミングが非常に悪かった。と言うことになるのですけども・・。orz。

と、言うことで今回は X100e で FreeBSD を利用した時の Suspend と Resume についてのお話です。「ThinkPad X100e で FreeBSD。気がついた点。」のエントリーでは「サスペンド・レジューム動きません。」とキッパリと書いたのですが、色々試したら、X 無しだと Suspend して Resume することが確認できました。FreeBSD もドンドンと進んでいると言うことですねぇ・・。大変失礼しました・・。

試した方法ですが、全てのカーネルモジュールを unload します。でもって必要最小限のカーネルもシュールのみで起動します。以下はそのモジュールのリストです。

kernel
acpi_ibm.ko
random.ko
if_re.ko
miibus.ko
procfs.ko
pseudofs.ko
ipfw.ko
libalias.ko
radeon.ko
drm.ko
agp.ko

 
ファイルシステム系のモジュールはあってもなくても大丈夫でしょう。ネットワーク系モジュールはリモートから ssh する用です。後、random もですね。その他に X 系のモジュールをロードしました。
僕は ATA 系周りはモジュールにしていません。

この状態で色々試したわけです。acpi_video は動作が怪しい kldunload acpi_video するとマシンがフリーズするので利用しないことにしました。後は sysctl の設定ですが、 /etc/sysctl.conf には以下の設定を入れました。

#hw.acpi.standby_state=S3
hw.acpi.suspend_state=S3
hw.acpi.thermal.min_runtime=300
hw.acpi.battery.info_expire=30
hw.acpi.power_button_state=S5
hw.acpi.sleep_button_state=S3
hw.acpi.lid_switch_state=NONE
hw.acpi.reset_video=1 hw.syscons.sc_no_suspend_vtswitch=1
vfs.usermount=1 hw.snd.default_unit=1

 
hw.acpi.reset_video と hw.syscons.sc_no_suspend_vtswitch を 1 にするとレジューム後に画面が表示されるようになります。

まずは X を起動せずにコンソールから acpiconf -s3 と叩くと「ヒューン」とか言ってスリープします。でもってパワーボタンはブリンクします。その後しばらくしてからパワーボタンを押すと。おぉーーっ!! 無事に復活するのであります。リモートからの ssh も接続が復活していてコマンドも受け付けてくれます。また、コンソールからもコマンドがバシバシ打てるのであります。

この辺りはミョーに感動です;-)。

と、言うことで、次に X を起動して KDE4 でログインしてから acpiconf -s3 を試してみます。スリープした後にパワーボタンを押すとバックライトは点灯するのですが、X の画面が出てきません。

ssh は利用可能なので、dev.acpi_ibm.0.lcd_brightness や dev.acpi_ibm.0.events 、そして hw.acpi.reset_video などの値を変更してみるのですが、復活する兆しは全く無いのでありました。

しゃーないので shutdown します。

次に試したのは X を起動して KDE4 でログインした後に CTRL-ALT-F1 して X の画面を一旦閉じてコンソールの画面にします。この時、コンソールではベコベコ文字が打てる状態なので acpiconf -s3 します。でもってサスペンドした後にパワーボタンを押すと、おぉっ!! コンソール画面は無事に返ってました。ここでコマンドもベコベコ打てます。

では、さっき CTRL-ALT-F1 しているので、今度は CTRL-ALT-F2 や CTRL-ALT-F3 を押して X の画面を戻すべ。とか思うのですが、ここで再度ブラックアウト。orz バックライトが点いているだけにちょっと悲しい状態なのですが、レジューム後に X が表示されることはないのでありました・・。orz

ちなみに、この状態の時、drm.ko は膨大な量のログを吐きまくっております。以下のようなログなんですけども。

info: [drm] wait idle failed status : 0xA0003030 0x00000003

 
なので問題は drm.ko 側にあるのかなぁ?などとも思えるのですが、vesa.ko でやったらどうなんだ?とか、色々あるわけなんですけどもね。

とりあえず、xf86-video なドライバは radeonhd と radeonhd-devel を試してみましたが、とちらも症状は一緒でした。とほほ。vesa ドライバでも試してみましたが、vesa の場合、ちょっと症状が変わって、壊れた X の画面が表示されたりましたが、X がまともに使える状態ではありませんでした。vesa の場合は drm.ko とか kldunload したら症状変わったりするかなぁ・・。

と、言うことで、X 無しでは無事にサスペンド・レジュームすることを確認しました。ただ、必要最低限のカーネルモジュールをロードしての確認なのですけどね。そもそも、X が動かないので、これ以上、カーネルモジュールをロードしてテストしても仕方がない。と言うのが素直な僕の感想なのですけども・・。

ThinkPadX100e は Radeon なんだけど、Core2Duo の Intel 系のグラフィックスチップの場合、無事に drm.ko も動作するのかなぁ? それがちっくと疑問なのですけども。