11月 102022
 

僕が持っている色々な PC は WindowsOS と FreeBSD でマルチブートしています。デスクトップ PC の場合は M2.SSD の他に SATA 2.5 インチ SSD と、更に USB HDD を接続して、全てのストレージは NTFS と UFS (ZFS ではない;-) に分割して、どちらの OS でも高速アクセスと、ビッグデータ蓄積領域を確保している状態です。

普段は FreeBSD を利用しているのだけど、たまに Windows11 を起動してアプリを利用したり、蓄積していたデータをファイルサーバにアップして、再度 FreeBSD を起動してファイルサーバから取ってくる。とかしていましたが、今後はそーいう動作は必要なくなります。

FreeBSD 13.1-RELEASE (正確には 13.0-R 辺りからかな?) では NTFS 領域がマウントできて、かつ FreeBSD から rw アクセスが可能となりました。 sysctl で vfs.usermount=1 などとすると、一般ユーザ権限でマウントして、かつ、設定によっては自動的にマウントできたりします。

そして KDE5 などを使っていると dolphin (KDE5 のファイルマネージャ) から簡単にアクセスできるようになります。

設定方法について、順番に見ていきましょう。

 
1. ports からインストール
まずは ports から sysutils/fusefs-ntfs をインストールします。そして /boot/loader.conf に以下の行を書きます。

fusefs_load=”YES”

 
これで完了です。

 
2. 実際にマウント
僕のデスクトップ PC の場合、 FreeBSD の起動時に以下の SSD と HDD が認識されています。

$ dmesg | grep nvd
nvd0:  NVMe namespace
nvd0: 488386MB (1000215216 512 byte sectors)
Trying to mount root from ufs:/dev/nvd0p5 [rw]...
$
$ dmesg | grep da0
ada0 at ahcich1 bus 0 scbus1 target 0 lun 0
ada0:  ACS-4 ATA SATA 3.x device
ada0: Serial Number S5RRNF1R566155H
ada0: 600.000MB/s transfers (SATA 3.x, UDMA6, PIO 512bytes)
ada0: Command Queueing enabled
ada0: 953869MB (1953525168 512 byte sectors)
da0 at umass-sim0 bus 0 scbus6 target 0 lun 0
da0:  Fixed Direct Access SPC-3 SCSI device
da0: Serial Number DCC77FFFFFFF
da0: 40.000MB/s transfers
da0: 3815447MB (7814037168 512 byte sectors)
da0: quirks=0x2
$
$ gpart show /dev/nvd0
=>        34  1000215149  nvd0  GPT  (477G)
          34        2014        - free -  (1.0M)
        2048      532480     1  efi  (260M)
      534528       32768     2  ms-reserved  (16M)
      567296   629467136     3  ms-basic-data  (300G)
   630034432    20971520     5  freebsd-ufs  (10G)
   651005952   167772160     6  freebsd-ufs  (80G)
   818778112   125829120     7  freebsd-ufs  (60G)
   944607232    41943040     8  freebsd-ufs  (20G)
   986550272    12124160     9  freebsd-swap  (5.8G)
   998674432     1529856     4  ms-recovery  (747M)
  1000204288       10895        - free -  (5.3M)
$
$ gpart show /dev/ada0
=>        34  1953525101  ada0  GPT  (932G)
          34       32734     1  ms-reserved  (16M)
       32768   819200000     2  ms-basic-data  (391G)
   819232768  1134292367     3  freebsd-ufs  (541G)
$
$ gpart show /dev/da0
=>        34  7814037101  da0  GPT  (3.6T)
          34       32734    1  ms-reserved  (16M)
       32768  4096000000    2  ms-basic-data  (1.9T)
  4096032768  3718004360    3  freebsd-ufs  (1.7T)
  7814037128           7       - free -  (3.5K)

 
nvd0 が M2.SSD で / パーティション他がある、メインの SSD です。
ada0 は SATA SSD で da0 は USB HDD です。全て WindowsOS と FreeBSD で半分ずつ (NTFS と UFS で半分ずつ) 利用しています。

 

実際に NTFS をマウントしてみるには以下のコマンドを利用します。

# ntfs-3g -o rw /dev/ada0p2 /mnt/
#  ls -l /mnt/
total 0
drwxrwxrwx  1 root  wheel  0 Nov 18  2021 $RECYCLE.BIN/
drwxrwxrwx  1 root  wheel  0 Nov 24  2021 Hyper-V/
drwxrwxrwx  1 root  wheel  0 Apr  3  2022 Data/
drwxrwxrwx  1 root  wheel  0 Nov 23  2021 Recovery/
drwxrwxrwx  1 root  wheel  0 Nov 18  2021 System Volume Information/
#
# umount /mnt

 
ports から sysutils/fusefs-ntfs をインストールすると ntfs-3g というコマンドがインストールされ、そのオプションに -o rw を指定しているので FreeBSD から書き込みもできるようになります。

これで NTFS の中のデータを取り出すために WindowsOS を起動することがなくなりました;-)。

 
3. automount しちゃうよ
KDE5 を利用している場合、 sddm からログインすると、ログインした段階で色々なファイルシステムを一般ユーザ権限でマウントしてくれる機能があります。

一般ユーザのアカウント takachan でログインすると、自動マウントさせたい場合には上にも書いた通り /etc/sysctl.conf に以下の設定をします。

vfs.usermount=1

 
この他に「KDE システム設定」でちょっと設定します。

「KDE システム設定」を起動して「起動と終了」→「Background Services」をチョイスすると、その中に [Removable Device Automounter] という項目があるのでこれにチェックを入れて更に再生ボタンを押してステータスを『実行中』にします。

次に同じく「KDE システム設定」の「リムーバブルストレージ」→「Removable Devices」をチョイスして、一番下にある [Automatically mount removable media that have never been mounted before] にチェックを入れて [適用]ボタンを押します。

これで、一旦ログアウトして再度ログインするか、service sddm restart してからログインしてみます。

と、いうか、sddm を再起動したあと、リモートから ssh でログインして df -k とかたたいて確認して、そのあとで sddm から一般ユーザでログインするとログイン後に様々なファイルシステムがマウントできることが確認できます。

僕のデスクトップ PC の場合はこんな感じになります。

$ df -k
Filesystem    1024-blocks      Used      Avail Capacity  Mounted on
*** 一部略 ***
/dev/ada0p3     549341012 187462520  317931212    37%    /opt
*** 一部略 ***
/dev/fuse       409599996  44718652  364881344    11%    /media/Samsung_SSD_870_QVO_1TB_S5RRNF1R566155H_p2
/dev/fuse      2047999996 534627440 1513372556    26%    /media/WDC_WD40_EZRZ-00GXCB0_DCC77FFFFFFF_p2
/dev/da0p3     1800630836 892226780  764353592    54%    /media/WDC_WD40_EZRZ-00GXCB0_DCC77FFFFFFF_p3
/dev/fuse       314733564  69794920  244938644    22%    /media/WDC_PC_SN730_SDBPNTY-512G-1006_213240808600_p3
/dev/fuse          764924    604264     160660    79%    /media/WDC_PC_SN730_SDBPNTY-512G-1006_213240808600_p4

 
/media/ ディレクトリのは以下にデバイス名付きで自動的に、一般ユーザ権限でマウントされます。デバイス名の後ろは p2,p3 とありますがパーティション名ですね。
Windows11 の C:\ や リカバリ領域なども自動マウントします。あと、UFS なファイルシステムも自動マウントしてしまいます。

Filesystem が /dev/fuse の場合は NTFS か FAT で /dev/da0p3 と表示されている場合は UFS ですね。 /media/Samsung_SSD_870_QVO_1TB_S5RRNF1R566155H_p3 は UFS ですが、これは /dev/ada0p3 で既に /opt にマウントしているので自動マウントされません。

 
KDE5 を利用した場合は opendesktop.org 由来の UDisks2 が利用されます。 FreeBSD 的かつ ports 的には sysutils/bsdisks が動作して plasmashell から dbus を経由して自動マウントしてくれるようです。
NTFS ファイルシステムを自動マウントしたくない場合は kldload fusefs.ko をやめれば良いです(あとで別件で説明します)。 UFS はもう完全に自動マウントしてしまうので止められない。自動マウント自体を停止したい場合は「KDE システム設定」の [Removable Device Automounter] を停止するしか手はないです。

 
KDE5 を利用している場合には KDE5 側で自動マウントしてくれますが、KDE5 を利用していな場合、 sysutils/dsbmd をイントールして /etc/rc.conf に dsbmd_enable=YES を書く必要があるかもしれません。

詳細については以下の URL を参照してください。

https://github.com/mrclksr/DSBMD

上記の dsbmd は ports のコンパイル時の make onfig で様々なファイルシステムを検知、自動マウントしてくれるようです。裏を返すとそれだけ色々な fusefs をインストールする。と、いうことになると思いますが。 ext4 とか HFS+ とかすげーな。みたいな・・。

一般ユーザ権限で色々なファイルシステムを自動マウント。遊んでみてください;-)。

 
4. 注意制限事項
注意点は二つ。

  • Bitlocker で保護されている NTFS はマウントできない
  • USB HDD の場合、スピンドルが止まっている場合がある

 
順番に見ていきましょうか。

Lenovo の ThunkPad X13 は Windows11 と FreeBSD のマルチブートですが、 Windows11 の NTFS は Bitlocker で保護されているので ntfs-3g ではマウントできません。以下のようになります。

# ntfs-3g -o rw /dev/nvd0p3 /mnt/
NTFS signature is missing.
Failed to mount '/dev/nvd0p3': 無効な引数です
The device '/dev/nvd0p3' doesn't seem to have a valid NTFS.
Maybe the wrong device is used? Or the whole disk instead of a
partition (e.g. /dev/sda, not /dev/sda1)? Or the other way around?

 
上記のようなエラーが出た場合は WindowsOS 側で「コンピュータの管理」→「ディスクの管理」を開いて当該パーティションが『Bitlocker で保護されてます。』と、いう表示があるか確認してみましょう。
この場合 kldload fusefs.ko していても意味ないです。リカバリ領域が見えても意味ないし・・。

 
次の USB HDD の場合ですが、SSD と違い外付け USB HDD の場合、ケースの機能によっては HDD の回転を停止するものがあります。自動マウントしている状態で HDD のスピンドルが停止していた場合、 cd /media/USB-HDD/ とか ls /media/USB-HDD/ すると、そこから HDD のスピンドルが回り始めます。この場合、ほぼほぼ CAM status: SCSI Status Error が出ます。そして、マウントしている状態だけど ls しても表示してくれない・・。 orz

外付け HDD の場合は cd とか ls でアクセスする前に以下のコマンドを打つ必要があります。

$ sudo camcontrol start /dev/da0

 
上記コマンドを打った段階で停止していた HDD (/dev/da0) のスピンドルが回り始めます。そのあとで cd とか ls でアクセスするようにしましょう。

 
以上、FreeBSD で NTFS に対するアクセスと、ファイルシステムの一般ユーザ権限での自動マウントについて書いてみました。

マルチブートしている PC の場合、もう一方の OS の中へアクセスしたい。と、いうことは多々あるのですが、今回は FreeBSD 側から WindowsOS の NTFS に対して簡単にアクセスする方法を書いてみました。

皆さんの環境でも是非、導入してみてください;-)。自動マウントはらくちんですよ。

9月 232018
 

KDE5 をインストールして、最近色々遊んでいるところです。デスクトップにも NotePC にもインストールしたので利用頻度はグググと上がりました。

そんなこんなで色々遊びつつ・調べつつしていたら latte-dock というのを発見しました。 KDE5 のパネルの代わりになるシロモノです。 FreeBSD の ports 的には deskutils/latte-dock になります。

まずはキャプチャを;-)。

レイアウトは My Layout・Plasma・Unity の、全部で三種類から選べます。 My LayOut は macOS 風、 Plasma は KDE5 の default のパネル風、 Unity というのは NextStep のランチャー風で、macOS の上にあるステータスバーみたいなのも表示されます。上記キャプチャはMン Layout でドックの設定で配置してみました。

KDE5 のウィジェットはガシガシ登録できるし、プログラムのショートカットも登録可能です。 KDE5 の標準のパネルが macOS 風になった。と、いういう認識で問題ないかと思われます。と、いうのも macOS と一緒でマウスオーバーするとアイコンがズズズと大きくなります。おぉっ!!

そして、ドックの上で右クリックすると設定画面が現れてことこまかに色々と設定することができます。設定画面ではドックとして利用したときのアイコンサイズのだとか、ウィンドの下に隠れるとか、 3D や影を付けたり、現在利用中のアプリのアイコンを光らせたりとか。

フツーの KDE5 のパネルではつまらないと思う人は是非とも体験してみてください;-)。

ただ、一部動作が多少怪しいと思う点が、使い込むほど出てきているので、今使っているパネルは小さいままデスクトップ上に置いといたほうが良いかもです。バージョン 1 が出たときには安定してくれていると嬉しい;-)。

 
それにしても KDE3 の頃だったか? パネルのアイコンが OS X (当時) 風に、普段は小さいのにマウスオーバーで大きくなったりする機能を持っていたんだけど Apple からクレームが入りその機能がなくなって、マウスオーバーしてもアイコンサイズが変わらなくなってしまった。と、記憶しています。 KDE 本体から分離したプロジェクトとして用意された latte-dock ではその機能が復活している。と、いうのはなんだか感慨深い;-P。

 
さてと。話が横道にそれましたが、設定画面のキャプチャを掲載しましょうかね。

僕の設定は日本語表示されています;-)。 この latte-dock というのは gettext で po ファイル化されているので独自に翻訳してみました。もうちょっと精査したあと kde-jp@kde.org に送る予定なので、次のバージョン辺りから最初から日本語化対応になっているのではないかと思われます。

あ。このブログでは何回か書いていますが僕は JKUG のメンバでもあるので、 KDE 自体の翻訳は特に気にはならずに Opendesktop.org に協力している次第です。

それにしても先行して日本語 po/mo フアイルが欲しい方は以下の URL に置きましたので持って行ってください。

https://icmpv6.org/Prog/ja.po/latte-dock-0.8.1-po-ja.tgz

deskutils/latte-dock を ports からインストールしたあと、ダウンロードした tgz を展開して、その中にある mo ファイルを /usr/local/share/locale/ja/LC_MESSAGES/ にほーりこんで latte-dock を再起動すると設定画面が日本語化されます。

日本語化されていたほうが設定しやすいとは思うのですが、一部へんちくりんな日本語や機能的に間違っている部分があるかと思われますが、随時更新して行きたいと思います。

9月 172018
 

KDE の 4 や 5 を使っていると ps -ax とか打つと気が滅入るときがあります。『どうしてこんなにakonadi が起動しているのだっ!?』と。まぁ、 akonadi は kdepim 系のユーザ情報管理や各種サービスへのアクセスを一手に引き受けているのでさまざまなプロセスが動くのはしょーがいなのではありますが・・。

akonadi はバックエンドにデータベースを利用していて、必要な情報はそこに格納します。選べるのは全部で三つ。 MySQL・PostgreSQL・SQLite3 ですね。 KDE4 の頃は複数のプロセスからアクセスするとデータベースがぶっ壊れるから MySQL を使え。と、いうお達しが出ていて、『まじかよー。デスクトップのバックエンドに mysqld 動かすんかよぉ・・。orz』などと思っていたのですが、 KDE5 からはいよいよ純粋に上記三つのデータベースが選択可能になったようです。

と、いうことで ports の databases/akonadi をインストールする場合は以下のようにオプションを選択すると良いでしょう。

今回は非常に負荷の軽い SQLite3 をチョイスしました。この状態で akonadi をコンパイルすると関連性により databases/qt5-sqldrivers-sqlite3 がインストールされます。 akonadi が利用するデータベースドライバですね。
ちなみに MySQL を選択すると databases/qt5-sqldrivers-mysql がインストールされます。

これで今日は akonadi は SQLite3 を利用するようになる。わーいっ!! などと喜んではいけません。 akonadi は今でも default で MySQL を利用するようになっているので、設定を変更して上げる必要があります。

設定変更するファイルは ${HOME}/.config/akonadi/akonadiserverrc になります。 akonadi を一回起動(しようと)すると生成されます。

[Debug]
Tracer=null

[%General]
Driver=QSQLITE3

[QSQLITE3]
Name=/home/USERNAME/.local/share/akonadi/akonadi.db

 
起動直後は [%General] では Driver=QMYSQL と書かれていると思いまずが、これを上記のように変更し、更に [QSQLITE3] を書いてデータベースを指定してあげます。

設定ファイルが完成したら akonadictl restart するか、一回ログアウトしてから再度ログインし直すと良いでしょうか。再度ログインすると mysqld が起動していないのに akonadi が動作しているのが嬉しいですね;-)。

これで mysqld が起動しない分 PC の負荷が多少は軽くったでしょうか? もしかしたら気分的な問題かぁ?

 
では、そもそも akonadi 自体を起動したくない場合はどうするか?

一番簡単なのはコンパイルのオプションで SQLite3 を指定して、設定フアイルである akonadiserverrc には MySQL を利用する設定を記載することです。

databases/qt5-sqldrivers-sqlite3 や databases/qt5-sqldrivers-mysql などがデータベースドライバになるのですが、設定ファイルで選択したデータベースのドライバが無い場合には akonadi が起動しません。

それとは別に [QSQLITE3] や [QMYSQL] の中に StartServer=false と掛けば akonadi が起動しない。と、いう話のようですが、実際に記載した設定ファイルを用意しても akonadi は起動してしまいました。残念。

[Debug]
Tracer=null

[%General]
#Driver=QSQLITE3
Driver=QMYSQL

[QSQLITE3]
Name=/home/USERNAME/.local/share/akonadi/akonadi.db
StartServer=false

[QMYSQL]
Host=
Name=akonadi
Options="UNIX_SOCKET=/tmp/akonadi-USERNAME.73cx0k/mysql.socket"
ServerPath=/usr/local/libexec/mysqld
StartServer=false

 
と、いうことで akonadi のコンパイル時に SQLite3 を指定して、上記のように設定ファイルを記載すると、起動しなくなります。

起動したい場合には [[%General] で Driver=QSQLITE3 を有効にして Driver=QMYSQL をコメントアウトすれば OK です。

これで akonadi がずいぶんと楽しいものになったかな? ;-)。

9月 092018
 

僕が利用している ThinkPad E145 はカーネルがずっと 10.1-RELEASE のままで、ユーザランドが 10.4-RELEASE だったりしていました。これは以前にも書いていますが suspend/resume が動作しなくなる。resume 後にバックライトの調整ができなくなるため、しかた無く。の対応だったんですね。

あと、ThinkPad E145 はグラフィックスカードに Radeon HD 8330 を利用していて、このチップは radeonkms.ko では未対応で Xorg のドライバでは VESA を利用していたんですね。

そして、 KDE5 は 10.4-RELEASE でコンパイルしたものは、コンパイルしたバージョンとは違う 10.1-RELEASE 上では動作しない。と、いうことになり、そろそろ新しい NotePC を買うことを考えていたところに drm-next-kmod がバリバリと動作する。 Radeon HD 8330 も radeonkms.ko で動作するようだ。と、いうので 10.1-RELEASE から 11.2-RELEASE にいっきに上げてみることにしました。

と、ここまでが前振りです(^^;;。
freebsd-update でいっきに 11.2-RELEASE にして pkg delete -a で古い packages を削除したあとに 11.2-RELEASE でコンパイルした KDE5 一式をドドドとインストール。その他 NotePC に必要なモノをインストールします。

そして、今回はそこに graphics/drm-next-kmod をインストールします。 /usr/ports/graphics/ の下を見ると、全部で以下があるようです。

・drm-devel-kmod/
・drm-legacy-kmod/
・drm-next-kmod/
・drm-stable-kmod/

まぁ、見て、雰囲気が大体解ると思われますが;-)。

graphics/drm-next-kmod をインストールすると /boot/modules/ の中がずいぶんとにぎやかになります。

この中から radeonkms.ko を見つけ出してブート時に kldload するように、/etc/rc.conf に設定します。

# --- kernel module load --- #
kld_list="/boot/modules/radeonkms.ko"

 
radeonkms.ko は今回 graphics/drm-next-kmod でインストールしたモノと別にシステム標準の /boot/kernel/radeonkms.ko があります。 /boot/loader.conf に radeonkms_load=”YES” と書くとシステム標準のカーネルモジュールがロードされてしまうため、上記のように記載します。

インストールが完了したあとは /etc/X11/Xorg.conf を編集してあげます。最近は /usr/local/etc/X11/xorg.conf.d/ 内にドライバ・キーボード・マウスなど、個別のファイルを用意して /etc/X11/Xorg.conf は書かない。ってのが流行みたいですねぇ。まぁ、どっちにしろ Section “Device” の項を書き換えます。

Section "Device"
        Option      "TwinView" "true"
        Option      "TwinViewOrientation" "LeftOf"
#       Option      "RegistryDwords" "EnableBrightnessControl=1"
        Identifier  "Card0"
#       Driver      "radeon"
#       Driver      "vesa"
        Driver      "modesetting"
        BusID       "PCI:0:1:0"
EndSection

 
Driver radeon は動作しないので、しょーがない。今までは Driver vesa で使っていたのですが、今回 graphics/drm-next-kmod にしたので Driver modesetting にしました。最近の Xorg は賢くなって色々なモノを自動認識するようになり、デバイスにあったカーネルモジュールをロードしてくれるようです。

と、いうことで上記の設定ができたらリブートしましょう。
リブート後、僕の ThinkPad E145 では以下のカーネルモジュールがロードされるようになりました。 linuxkpi.ko が今回のカナメでしょうかねぇ。

--- <上略> ---
23    1 0xffffffff82421000 15d6d9   radeonkms.ko
24    1 0xffffffff8257f000 74b70    drm.ko
25    4 0xffffffff825f4000 edc8     linuxkpi.ko
26    3 0xffffffff82603000 114b8    linuxkpi_gplv2.ko
27    2 0xffffffff82615000 6b8      debugfs.ko
28    1 0xffffffff82616000 23f8     radeon_kabini_pfp_bin.ko
29    1 0xffffffff82619000 23f8     radeon_kabini_me_bin.ko
30    1 0xffffffff8261c000 23f8     radeon_kabini_ce_bin.ko
31    1 0xffffffff8261f000 43f8     radeon_kabini_mec_bin.ko
32    1 0xffffffff82624000 2a78     radeon_kabini_rlc_bin.ko
33    1 0xffffffff82627000 12e8     radeon_kabini_sdma_bin.ko
34    1 0xffffffff82629000 38eb0    radeon_bonaire_uvd_bin.ko
35    1 0xffffffff82662000 13328    radeon_BONAIRE_vce_bin.ko
36    1 0xffffffff82676000 37528    linux.ko
37    2 0xffffffff826ae000 2d28     linux_common.ko
38    1 0xffffffff826b1000 31e50    linux64.ko
--- <以下略> ---

 
Xorg を起動し、ログインマネージャの x11/sddm を起動し KDE5 にログインします。そして、 「KDE システム設定」から[ディスプレイとモニタ]->[Compositor]ときて、[レンダリングバックエンド]を確認します。VESA ドライバを利用していたときは選択できるのは xdandr のみだったのですが、今は OpenGL2.0 や 3.1 が指定できます。おぉっ!! これで 「ゆれるウインド」とか「魔法のランプ」などが利用できるようになるっ!!

ってんで、 graphics/drm-next-kmod の恩恵が受けられるのでありました。

 
で、次のステップですが、 まだ、以下の二点が残っております。

・suspend/resume はちゃんと動くの?
・バックライトの明るさ調整はできるの?

まず、suspend/resume についてですが、最初の 1,2 回はフタを閉じた段階でシステムごとフリーズしていたので『むむむ。 graphics/drm-next-kmod は suspend/resume に対応してないのか?』などと思ったのですが、ロードするカーネルモジュールとかその他設定を見直すことで無事に suspend/redume が動作するようになりました。

ThinkPad E145 では acpi_video.ko はまともに動作してないので利用していません。 acpi_ibm.ko はバックライト調整はできないけどボリューム調整はできるのでロードしています。

 
次にバックライト問題ですが、これは、本家でも wiki の掲載があるほどなので、ことは一大事なのでしょうなぁ。

https://wiki.freebsd.org/Graphics/Brightness

ここに書いているのは一通り試しました。上にも書いた通り ThinkPad E145 は Radeon HD 8330 なので intel_backlight (ports 的には graphics/intel-backlight) を使うと Device not found. です。あら。つべたい。

accessibility/sct はオプションの数値を変えると色が変わるので、 LCD brightness とはちょっと違う。

で、結局、僕は xrandr を使うことにしました。xrandr は VESA ドライバを利用している頃はまともに動作しなかった (Can’t open display と表示される) のですが、 graphics/drm-next-kmod を使うと無事に動作するようになりました。

まず、以下のコマンドを打ってディスプレー名を取得します。

$ xrandr --listmonitors
Monitors: 1
 0: +*LVDS-1 1366/256x768/144+0+0  LVDS-1

 
最後の LVDS-1 が重要で VESA ドライバを利用していた頃はこの値が表示されず xrandr で明るさの調整ができなかったんですね。今回 graphics/drm-next-kmod を利用することによりちゃんと動作するようになりました。ここまで来ればラクショーです。あとは以下のようにコマンドを打って画面の明るさ調整をすれば良いだけ。

$ xrandr --output LVDS-1 --brightness 0.8

 
今動作している明るさが 1 で、それよりも暗くしたい場合は 1 以下の数値を小数点で指定し、更に明るくしたい場合は 1.2 とか指定すれば良いです。

雰囲気的には機械的にバックライトを調整するのではなく、画面の色をグレーにすることで暗くなったように見える。と、いう機能ですね。ハードウェア的にバックライトを暗くしてないのでバッテリー運用のときは要注意って感じでしょうか。

 
と、いうことで CPU/GPU 共に AMD な NotePC である ThinkPad E145 ですが、

・11.2-RELEASE にした
・graphics/drm-next-kmod で Radeon HD 8330 を認識してくれる
・KDE5 が使えるぞぉ (これは当たり前;-)
・suspend/resume ができる
・バックライト調整も一応できる

と、いう状態になり、ほぼほぼ満足な結果です。細かく言うと

・キーボードが 101 のままだぁ
・マウスの動作があやすぃー
・音の出るところ調整(スピーカーかイヤホンか)

など、ありますが、それらは Xorg の設定で調整するもヨシ。KDE5 側で設定するもヨシ。と、いう状態なので、道は色々あります。それらを一応全て解決できたので、僕の ThinkPad E145 は壊れなければあと 4,5 年は持つような気がしてきました;-)。

2月 242014
 

本題に入る前、一点。
FreeBSD の ports の KDE4 が kde-4.12.2 になりましたなぁ。今までは /usr/local/kde4/ にインストールされていたのですが、このバージョンからは /usr/local/ にインストールされるようになりました。僕の環境では 130 個弱の ports の再インストールが発生しまた。けど、これでようやっと、独自ディレクトリから開放されるぞぉー。って感じです。

と、いうことで本題。

KDE4 をインストールすると default のブラウザに konqueror がインストールされます。それとは別に他のブラウザをインストール、例えば rekonq をインストールするとします。

konqueror も rekonq もユーザエージェントを偽装できる機能を持っています。例えば FreeBSD のこれらのブラウザでアクセスすると「あんたのブラウザでは全部の機能が動作しない。」とか「最新のブラウザではないので利用できない。」などと蹴られる場合があり、以降の表示を止めてしまうウェブサイトがあったりします。

まぁ、仮に表示されたとしても確かに正しく動作しない場合なんかもあったりするんですけどねf(^^;;。

https://profile.microsoft.com なんかは UserAgent を IE11 に偽装したとしても正しく表示できなかったりしますが、それは konqueror や rekonq などのブラウザが対応していないので正常動作しない。と、いうことですね。

 
さてさて。それにしもブラウザでユーザエージェントが選べるのに表示される情報がどれもこれも古いバージョンで困ってしまいます。

konqueror_ua_1

これを最新のバージョンに変更できないのかなぁ? とか思いソースコードを眺めるのですが、ふむ。ブラウザは KDE コンポーネントを見ているようで、ブラウザのソースコードには無いようです。

KDE 的には konqueror も rekonq はコテコテの KDE・Qt アプリなので、共通な機能については共通コンポーネントを使うようになっており、一個のパーツを色々なアプリで利用するってが仕様のようです。例えば Proxy とか キャッシュなども KDE4 の複数のアプリで共有するコンポーネントです。

ブラウザの UserAgent 偽装機能も一緒で konqueror も rekonq もユーザエージェントの設定はコンポーネントが一緒です。
では、その場合ソースコードがどこにあるのか? ですが、見つけました。 FreeBSD の ports 的には以下になります。

x11/kde4-baseapps/work/kde-baseapps-4.10.5/konqueror/settings/kio/uasproviders/

ここに *.desktop というファイルがたくさんあり、ブラウザのバージョンごとの情報を持っているフアイルが複数あります。
これらはインストールすると以下のディレクトリにインストールされることが解りました。

/usr/local/share/kde4/services/useragentstrings/

ここに最新のブラウザに対応した .desktop ファイルを置いてあげると次回起動時にはそのファイルを読み込んで最新のバージョンのユーザエージェントが利用できるようになります。

せっかくですので firefox-24.0 と MSIE-11.0 の .desktop ファイルを作成したので、利用してみたいと思う方は以下の URL から持って行ってください。

http://icmpv6.org/Prog/KDE/firefox240oncurrent.desktop
http://icmpv6.org/Prog/KDE/ie110onwinnt61.desktop

これで konqueror や rekonq では最新の他のブラウザとして動作することができるようになりました。パチパチパチ。ただ、ユーザエージェントの情報が変わっただけで、上にも書いている通り、正しく表示・機能しないウェブサイトがたくさんあることに違いが無いのでご注意ください;-)。

 
さてさて。ここからは付録に近いのですが、 Qt 系ブラウザとして arora というブラウザがあります。 ports 的には www/arora になるんですけども。こいつのユーザエージェントが更新されてないのでソースコードも眺めてみました。すると arora の場合は独自にソースコード中に書いているようですね。以下の xml なファイルで定義しているようです。

arora-0.11.0/src/useragent/useragents.xml

もし、 arora を利用している人でユーザエージェントを最新のブラウザに偽装したい場合には上記のファイルを編集してコンパイルし直せば良いと思われます。

arora は Qt を利用しているけど、 KDE にベッタリ。ってことは無い独自路線のウェブブラウザ。ってことなんですねぇ。

今回はちろっと KDE4 の構成的な説明と、ブラウザのユーザエージェント偽装のためのネタでした。

2月 062014
 

僕はデスクトップに KDE4 を利用しているのですが、 JKUG の日本語化チームとは別に自分で利用する KDE アプリで、日本語化されていないものをコツコツと個別に翻訳しています。

例えば rekonq という konqueror を再定義し直した KDE・Qt ライクなブラウザがあるのですが、こいつはソースに日本語 po ファイルが付いてこないのでメニューなどが英語で表示されます。

まぁ、 konqueror を再定義しただけのことはあって konqueror よりは rekonq のほうが使いやすいかなぁ。とは思う点が多々あるので僕は利用しているんですけども、いかんせん日本語化されてないので、しょーがねぇなぁ。自分で po ファイル書くかぁ。などと思いコツコツと日本語化しているのであります。

僕が今まで日本語化した po ファイルは以下の URL に置いてあるので良かったら持って行ってください。

http://icmpv6.org/Prog/ja.po/

rekonq-2.4.2 に対応した po ファイルの最新版は rekonq-2.4.2-20140205_1.po になります。

 
さてさて。翻訳していて一番大変なのはバージョンアップした時ですね。
新規に po ファイルの翻訳をするのであれば、とある言語の po フアイルを引っ張ってきて Language: とか を ja に変更して、翻訳を開始していけば良いのですが、バージョンアップが発生したときはどうするの?とかになるわけです。

以下、作業手順。あ。僕が個別にどの翻訳グループにも属していないのでこのような手順を踏んているだけで、もしかしたらちゃんとしたもっと効率の良いやり方というのがあるのかもしれませんが・・。その場合は、教えて頂ければ幸いです。

1). 新しいバージョンの po ファイルを取得
2). 以前に翻訳した po ファイルをエディタで開く
3). 新しいバージョンの po ファイルをエディタで開く
4). 新しいバージョンの po ファイルの msgid に以前翻訳した msgstr をペースト
5). 新規に出てきた未翻訳の msgid を翻訳
6). やっと完成。ふぅ・・

なんていう、クラクラするような作業をしなければならずほんとにイヤになる・・。もっと効率的なやり方は無いんかな?

 
と、いうことで考えた技は以下の通り。 UNIX コマンド使いまくりだぁ;-)。 効率よく po ファイルをバージョンアップする技を考えてみました。

・新しい po ファイル: rekonq-2.4.2.po
・古い po ファイル: rekonq-2.3.2.po

ソースコードに日本語の po ファイルが無い場合には他の言語の po ファイルを日本語として使いまわします。 rekonq の場合は po/sv/rekonq.po を利用して rekonq-2.4.2.po としました。

1). msgid の抜き出し

$ cat rekonq-2.3.2.po | grep ^msgid > rekonq-2.3.2.po_msgid
$ cat rekonq-2.4.2.po | grep ^msgid > rekonq-2.4.2.po_msgid
$ diff -ur rekonq-2.3.2.po_msgid rekonq-2.4.2.po_msgid > msgid.diff

 
これで新規に追加になったメッセージと削除されたメッセージの差分が出てきます。
diff ファイルで “+” の部分は新しく登録された msgid で “-” の部分は削除された msgid です。

 
2). diff 結果の取り込み

$ cp rekonq-2.3.2.po rekonq-2.4.2_New.po
$ mule rekonq-2.4.2_New.po

 
rekonq-2.3.2.po は以前に翻訳したファイルなのでそれを最新版にします。そのために msgid.diff の差分を新しく用意した rekonq-2.4.2_New.po に反映して行きます。
“+” で表示されている msgid とその関連する部分は追加し “-” の部分の関連する情報は削除していきます。ガシガシしていきます;-)。 po ファイルには「ソースコードの何行目」なんていうコメント行がありますが、とりあえずそんなのは無視していきます;-)。

以上はエディタで編集する必要がありますが、これで新旧の情報がマージされた po ファイルが完成です。ちっこいバージョンアップだと差分が少ないので po ファイルの更新も楽ちんです;-)。

 
3). 翻訳者支援アプリ
テキストエディタで直接 po ファイルを更新しても良いとは思うのですが、何か支援 AI ではなく、支援ソフトは無いんかなぁ? とか思って調べてみると ports に editors/poedit というのがありますね。 GTK アプリで GUI で利用できそうです。こいつをインストールして起動してみます。

起動したら rekonq-2.4.2_New.po ファイルを読み込みます。すると翻訳可能な状態になります。キャプチャはありませんが、左側が msgid で、右側が msgstr です。 msgstr が空白な部分が翻訳されていない文字列になるのでそれをベコベコ打ち込んでいけば良いかと思われます。
日本語文字入力時に emacs キーバインドが利用できないのが痛いんだけど、GTK2 の emacs キーバインドの設定すれば良いんかなぁ?今度試してみよう。

 
GUI 的なモノで msgid を google 翻訳で翻訳してその結果を msgstr に表示するヤツとかあるんかなぁ? google の textproc/translate-toolkit なんかはその類なのかな? python のコマンドラインツールなんてのは使いたく無いんだけど;-P。

 
poedit は Windows 版 Mac 版もあるようです。編集した po ファイルを保存すると msgfmt も実行してくれるのでいきなり mo ファイルが生成されます。あとはそれを share/locale/ja/LC_MESSAGES/ 辺りにほーりこんで rekonq を再起動すると確認ができます。

 
翻訳用の po ファイルに対する新旧二つの情報のマージって、もっと他に何か画期的な方法・手段ってあるのかなぁ? google で探したけど見当たらなくて、結局 diff してその差分を古いバージョンの po フアイルにマージって方法にしたんだけど・・。

もしかして、本家にマージされた po ファイルは既に差分が吸収された状態でリリースされるとか?そんな便利な世の中ならドンドン本家にマージしたほうが良いなぁ。

それにしても翻訳の方法はこれで良いのかな?

9月 102013
 

以前のエントリで「xmodmap と setxkbmap。」というのを書いているのですが、そのときに xmodmap -pke というコマンドを打ってみて、このコマンドが出力した情報をじっくりと眺めてみると何やら色々な設定があるようなので試してみることにしました。

色々な設定というのは、例えば NotePC において Fn キー + テンキー同時押しでボリューム調整を行う、であるとか画面の明るさを変更する、であるとか suspend/resume であるとかその辺りのことができるようなんですね。

IMG_5632_NotePC_Fn+10Key

通常この辺りの制御は ACPI のほうでやっていて、以前であれば、僕の場合、今回は ThinkPad X100e で試してみましたが、 acpi_ibm.ko というのを kldload して /usr/local/sbin/acpi_oem_exec.sh とかを作成して呪文のような文字列と数値を書いて devd に対応させる。というのが一般的だったんですけども。
まぁ、その辺りは man acpi_ibm してみて、その内容でスクリプトを書くんですけど、なんか大変そうで「動かなくてもいやー。」となっていたんですね。

今までは ACPI で制御していた Fn キー + テンキー同時押しの機能がどうやら xmodmap でできるらしいんですね。と、いうことで早速設定してみましょう。
まずは xmodmap -pke でどんなオプションが指定できるのかを探してみます。

$ xmodmap -pke | grep XF
keycode  63 = KP_Multiply KP_Multiply KP_Multiply KP_Multiply KP_Multiply KP_Multiply XF86ClearGrab
keycode  67 = F1 F1 F1 F1 F1 F1 XF86Switch_VT_1
keycode  68 = F2 F2 F2 F2 F2 F2 XF86Switch_VT_2
keycode  69 = F3 F3 F3 F3 F3 F3 XF86Switch_VT_3
keycode  70 = F4 F4 F4 F4 F4 F4 XF86Switch_VT_4
keycode  71 = F5 F5 F5 F5 F5 F5 XF86Switch_VT_5
keycode  72 = F6 F6 F6 F6 F6 F6 XF86Switch_VT_6
keycode  73 = F7 F7 F7 F7 F7 F7 XF86Switch_VT_7
keycode  74 = F8 F8 F8 F8 F8 F8 XF86Switch_VT_8
keycode  75 = F9 F9 F9 F9 F9 F9 XF86Switch_VT_9
keycode  76 = F10 F10 F10 F10 F10 F10 XF86Switch_VT_10
keycode  82 = KP_Subtract KP_Subtract KP_Subtract KP_Subtract KP_Subtract KP_Subtract XF86Prev_VMode
keycode  86 = KP_Add KP_Add KP_Add KP_Add KP_Add KP_Add XF86Next_VMode
keycode  95 = F11 F11 F11 F11 F11 F11 XF86Switch_VT_11
keycode  96 = F12 F12 F12 F12 F12 F12 XF86Switch_VT_12
keycode 112 = KP_Divide KP_Divide KP_Divide KP_Divide KP_Divide KP_Divide XF86Ungrab
keycode 214 = XF86Display NoSymbol XF86Display
keycode 215 = XF86KbdLightOnOff NoSymbol XF86KbdLightOnOff
keycode 216 = XF86KbdBrightnessDown NoSymbol XF86KbdBrightnessDown
keycode 217 = XF86KbdBrightnessUp NoSymbol XF86KbdBrightnessUp

 
なるほど。この中にキーボード配列に合いそうな XF86 なオプションを ~/.xmodmaprc に記述していけば良いんですね。などということが解りました。

上にキーボードの写真を掲載しましたがちっこくて見えないですかねf(^^;;。それに合わせて今回 ThinkPad X100e に設定したのは以下の通り。

keycode 140 = XF86AudioStop
keycode 176 = XF86AudioRaiseVolume
keycode 174 = XF86AudioLowerVolume
!
keycode 162 = XF86AudioPlay
keycode 144 = XF86AudioPrev
keycode 153 = XF86AudioNext
!
keycode 115 = XF86KbdBrightnessUp
keycode 109 = XF86KbdBrightnessDown

 
以前から Fn+F4 で suspend/resume は動作していたので今回は設定しません。

ボリュームの停止・大きく・小さくは動作しました。まぁ、KDE4 のパネルにボリュームウィジェットを表示しているのでそれで調整することも可能ですが、新たに Fn+ESC ・ Fn+F1 ・ Fn+F2 キーでできるようになった。と、いう感じでしょうか。

あと、音楽の曲飛ばし(Fn+F11)と戻り(Fn+F9)・停止と再生(Fn+F10)が動作しました。利用したソフトは gmplayer で 起動時に gmplayer *.mp3 とかして再生開始します。再生している最中に Fn+ キーを押すとそれが有効になりました。けど、考えてみると gmplayer のほうにも曲飛ばしとか停止のキーバインドはあるわけでして、無理して Fn+ キーに設定する必要は無いのかなぁ;-)。

XF86KbdBrightnessDown と XF86KbdBrightnessUp は動作しませんでした。と、いうか、Fn+ のキーがもう無いんですね。 xev で keycode を取得しようとしても取得できないキーが何個かありました。
現在、画面の明るさ変更については ACPI で行っています。 kldload acpi_ibm.ko すると acpi_ibm.0.lcd_brightness という sysctl mib が生えてきます。ここに値を設定してあげると画面の明るさが変わるのですが、shell スクリプトを書いてそれを実行することにより明るさを変えています。

その他に何かできないのかな?などと思ったのは外部ディスプレーの切り替えとか。 xmodmap 的に何かパラメータはあるのかな?と思ったのですが特に無いようなので諦めました。
ではどうするか?というと、KDE4 では KDE システム設定の中に「ディスプレーとモニタ」という項目があってここから LCD か外部ディスプレーにするか変更ができるのでそれでやることにしました。なので X の再起動とかは必要ありません。調べてないんだけどこの辺りは xrandr が面倒見ているのかな?

 
と、いうことで、以前は ACPI のほうで設定していた内容がいとも簡単にできるようになったのは良いことですね。ただ、本当にその設定が必要か? 聞かれれば「特には困っていない。」のであまり必要ではないんですけどねf(^^;。キーボードに書いてあるのでそれに合わせてキーをマッピングしてみた。と、いうのが素直な感想で。けど、簡単に設定可能なものは一応設定して見ましょう。という内容のエントリなのであります;-)。

6月 052012
 

KDE や Qt、あげくの果てには png のバージョンアップがあったりして最近の ports 回りは大変でしたなぁ・・。でもって libreoffice 、 ports 的には editors/libreoffice になるわけなんですけども、こいつは最近まるっきり make が完走しないのでホトホトいやになっていた。

libreoffice は make にも時間が掛るのでなおさら使いたくないモノだ。などと思っていたのですが、 make が通らなくなったのでキッパリと諦めることができた;-)。では、代わりに何かないかな?と探し回っていた思いついたのが KDE 由来のオフィススイート。

ついこの間、ports から okffice が全部削除されましたね。で、代わりに calligra というのになった。 koffice から calligra に名前を変更した。と、いうことですね。

と、いうことで libreoffice の代わりに calligra にインストールをしました。インストール自体は libreoffice の 1/3 程度の時間で済んだかな?結構早く make が終わったので嬉しい;-)。

さてと。日本語テキストの ports はあるかな? と探してみたら、あたた・・。無いようですね。 JKUG (Japan KDE Users Group) の翻訳担当の人に Twitter で聞いてみたら「手が回って無い状態です。」とのこと。そらそーですよねぇ。本体で手一杯のような気がします。お疲れさまです。

と、いうことで、calligra の日本語テキストを起こしてみました。

幸い koffice の日本語化は 2.3.2 まで進んでいるようでソースコード自体は koffice-l10n-ja-2.3.2.tar.bz2 としてリリースされています。このファイルを calligra に対応させてみました。あくまで対応させただけで、個別に追加の翻訳などは一切していません。

以下の URL にあるので利用したい人は試してみてください。 koffice-2.3.2 相当の日本語は表示してくれると思います。

calligra-l10n-ja-2.4.2.tar.bz2

あと、FreeBSD 用の ports も作りました。以下の URL にあります。

http://icmpv6.org/Prog/FreeBSD_ports/ports-calligra-l10n-ja-20120605.tgz

ダウンロードしたら /usr/ports/editors 辺りで展開して中に入っている calligra-l10n-ja-2.4.2.tar.bz2 を /usr/ports/distfiles/KDE/calligra-l10n/ にほーりこんだら make install でインストールされます。

やはり同じく koffice-2.3.2 相当の日本語は表示してくれると思います。

せっかく作ったので、一応 JKUG の ML には連絡してみたいと思っています。 KDE 本家に取り込まれるか、そして FreeBSD の ports として提供されるようになるかですねぇ;-)。

4月 102012
 

いやはや。僕が利用している NotePC は以前のエントリにも書いたかもしれないですが ThinKPad X100e です。この NotePC は AMD の CPU を利用していて E-350 です。時々熱がこもって ACPI shutdown が走ったりするんですけども、NotePC では唯一 X11 の drm が動作する VESA ではない(ドライバは xf86-video-ati を利用しています)最後の NotePC なのではないかなぁ。と思っているところですが;-)。

で、この NotePC は現在 FreeBSD/amd64 9.0-STABLE がインストールされているんですが、つい最近までは suspend/resume しなかった。9.0-PRERELEASE までは suspend/resume していたんだけど、その後 RC になってからは ACPI 周りの問題からか、acpiconf -s3 すると resume はブラックアウトでフリーズ、あげくの果てには AC コンセントを抜き差ししないとブートさえもしてくれない状態だったので、もう本当にある意味あきらめていたんですけどね。

さすが CURRENT および STABLE は『生もの』ですね。 2012/04/07 辺りの 9.0-STABLE を csup して make build world と install したら見事に suspend/resume が復活しました。パチパチパチ;-)。

今回はその様子を動画に撮ってみたのでちょっと公開してみましょう;-)。こんな感じ。一分07秒の動画です。


20120410.jpg

※ “再生アイコン” が見えない表示されないブラウザの場合は上記写真をクリックしてください。

いやね。雰囲気的に resume は MacBook に近い動作をします。以下、寝て起きる上記の説明です。

1. Fn+F4 で suspend します。
2. X の画面からコンソールの画面にひとまず落ちてから寝ます。
2. 手前の緑の LED が二個点きました。右側が「スリープ状態」を示しています。
3. フタを明けて resume。緑の LED は一個だけの点灯になります。
4. resume 後は X が即座に表示され早速利用可能。
5. USB Wi-Fi の run0 を利用していますが、その LED が点滅し、しばらく後に利用可能。

とまぁ、動画的にはこんな感じで suspend/resume します。上記で「MacBook に近い動作」と書いたのはフタを明けてから利用できるようになるまでの時間のことを言っています。フタを明けるとただちに X が動作するのはこれまたすごいっ!! 今までの FreeBSD にはちょっと無い体験でした。

後、何回 suspend/resume をしても特に問題なくちゃんと寝て起きてくれます。 jobs の言うところの “It just works.” って感じでしょうか;-)。

で、まだあまり試していないのですが、一点問題があるように感じます。一番最初。電源投入後、一回目の suspend だけはどうやら Ctrl+Alt+F1 で X を後ろに飛ばしてからコンソールで acpiconf -s3 を打つ必要があるみたいです。で、その時の resume はちゃんと起きて Ctrl+Alt+F3 辺りで X の画面を戻したあと、以降は Fn+F4 で寝て、そして起きてくれるようになります。この辺りがまぁ、なんちゅーか本中華なんですが、もしかしたら僕の気のせいかもしれません;-)。

で、これだけサクサク suspend/resume が動作するんだから KDE4 の電源管理で Windows7 みたいに一定時間後には寝てくれるんかいな?などと、ちょっと思ってしまうのでありますが、実際に試してみました。

PowerProfile_1.jpg

KDE4 のコントロールパネルから「電源管理」メニューで色々設定してみます。あと、タスクバーにも電源管理アイコンがあって、ここからレジュームとかハイバネードとかシャットダウンとかあるんですけどね。

今回は PowerSave の設定で 10 分後に「スリープ」と設定して放置してみました。

あたたた・・。サスペンドはしてちゃんと寝てくれます。しかし、レジューム(起動)時には X がブラックアウトしていまいました。ただし、カーネルは死んでないので ACPI S5 ステートとかリモートからの ssh は可能なので本当に X の画面のみが見えない状態。と、いう感じでした。これは上で書いたタスクバーの電源管理から「スリープ」ボタンを押した時と同じ動作でした。

と、いうことは FreeBSD 単体ではサクサク suspend/resume するけど、 KDE4 経由の電源管理ではまだもう少し頑張りが必要だね。と、いう感じでしょうか。

けどもまぁ、そこまで贅沢は言いません。これだけサクサク、何回も suspend/resume してくれるのであれば全然問題はありません。今まで suspend/redume が動作するのは二回まで。三回目に起きた時には画面はブラックアウトだっただけにずいぶんと進歩してそして非常に嬉しいのであります。

上にも書いたとおり、CURRENT や STABLE は生ものです。次回 csup してカーネルを作り替えたら動作しなくなるかもしれません。なので、今回の環境は非常にじゅーよー。みたいな。この環境でずっと使い続けたい気分です;-)。

なお、今回はこのブログ初の動画でしたが、今後は機会があれば色々、動くものを掲載して行きたいと思います;-)。

2月 142012
 

僕は普段から KDE4 使いなんだけども、KDE4 を利用しているとターミナルソフトといういうのは必然的に konsole になるわけであります。

しかし、もう何回もこのブログに書いているんですが、 konsole というのは一個のプロセスが起動して、何個も konsole の画面を開いても一個のプロセスで動作する。つまり、表示される konsole のウィンドはスレッドとして動作しているんですな。

これがまたあーた。一個の konsole ウィンドが変な挙動をするとそのプロセスがおかしくなるということで、表示されている全ての konsole のウィンドはスレッドで動作しているんだけども、それら全てを道連れにお亡くなりになる、もしはフリーズしてしまう。という、それは非常にヒサンな状態になるわけですね。

こんなのは使いたくないよ。一つのウィンドは一個のプロセスのターミナルソフト使いたいよ。ってんで、/usr/ports/x11 の下辺りを ls -d *term* などとして色々物色するんですね。で、今回中々良いのが見つかったのでそれについてちょっと書いてみたいと思います。

今回取り上げるのは gtkterm2 です。 ports 的には x11/gtkterm2 になるんですけどもね。とりあえず make してみると、ターミナルソフト的には vte というのを利用しているみたいですね。 ports 的には x11-toolkits/vte になるみたいですが。ここに GTK2 を利用してタブの機能を盛り込んだみたいな感じです。

利用してみると一つのウィンドで一つのプロセスとして動作するようで中々良い感じですね。では、早速カスタマイズして自分好みの環境で利用してみましょう。

実は gtkterm2 をインストールして、カスタマイズしようとしてあまりにもその設定方法が書かれたウェブが無いのでいっちょ書いてみるか。ということでこのエントリを書いているわけですけどもね;-)。

gtkterm2 の設定ファイルは $HOME/.gtkterm2rc になります。 gtkterm2 を一回起動するとホームディレクトリに設定ファイルが生成されます。そしたらエディタで編集すれば良いでしょう。

それにしてもこの設定ファイル、 gtkterm2 を起動するたんびに毎回 gtkterm2 が更新してくれます。非常にややこすぃー・・。毎回エディタを再起動してあげる必要がありますが・・。

とりあえずフォントの設定から。以下の部分を変更すると自分の好きなフォントになります。

terminalFont= MS Gothic 10

 
上記設定は MS ゴシックを 10 ポイントの表示で利用する場合。フォント名は GTK2 の記述形式ですね。以下のコマンドを実行するとフォント名が抽出できると思うのでそれを記述します。

% fc-list | awk -F, '{print $2}' | awk -F: '{print $1}' | sort

 
MS ゴシックが無い人は “Ume Gothic C4” とか指定すると良いかもですね。

まぁ、上記のようにフォントの指定は色々なウェブ上で書かれているので割と設定は簡単でしょうか。

問題は色のほうです。こいつは解らない・・。orz。また、ウェブを探しまわっても全く見当たらないんですね。でもって $HOME/.gtkterm2rc には以下のように不気味な設定が書かれている。

red=0xff00 0x0000 0x0000 0xaaaa 0x0000 0xaaaa ...
grn=0xef00 0x0000 0x0000 0x0000 0xaaaa 0x5555 ...
blu=0xef00 0x0000 0x0000 0x0000 0x0000 0x0000 ...

 
red=、grn=、blu= の後に 0x0000 が全部で 17 個並んでいます。これが何を意味しているのかが全くわかりませんでした。しょーがないのでソースコード眺めましたよー。src/prefs.c 辺りで色についての記述がありますね。まぁ、読むのも大変なんですけども・・。

で、 grn= の後の一個目のパラメータはバックグラウンドの色の指定になります。二個目のパラメータはカーソル、X11 用語では foreground ってことですけどもね。の指定になります。一個目と二個目の設定だけが特徴的で残りの 15 個はファイルの色になります。この辺り、僕にもわかりません。実行形式ファイルの色は赤とか、ディレクトリは青とか、symlink の色はピンクとか、そんな設定になります。

まぁ、今回は background と foreground の色を変えてみましょう。それにしても RBG カラーってのは # のあとに六桁指定するのにどうして四桁なんだ?と思うのでありますが・・。

例えば background の色を #FFEFEF という、ちょっとピンクっぽい色にしたい場合は以下のように指定します。

red=0xff00
grn=0xef00
blu=0xef00

 
red、grn、blu で RBG の色を前から二桁に指定し、余った後ろの二桁は “0” を指定する。って感じですね。

文字とかカーソルの色は黒にしたいので #000000 になります。その場合は以下になります。

red=0xff00 0x0000
grn=0xef00 0x0000
blu=0xef00 0x0000

 
0x00 の前二桁の部分に “0” を設定し、後ろの二桁は default の “0” を設定します。これで自分の好きな色に設定できると思います。そして、三個目以降、残りの 0x???? は全部で 15 個ありますが、これは default の設定でひとまず試してみてください。 ports の make config ときなんかは不気味な色になりますけどねぇ;-)。

とまぁ、こんな感じで設定すれば自分の好みのターミナルになるのではないかなぁ。と思われます。

自分的に一点変えたいと思っているのが新しいタブを開くとき。 default では CTRL+N なんだけど、CTRL+SHIFT+N に変更したいなぁ。と思っています。ソースコードを変更してしまうのが一番早いかなぁ。などとちょっと思っていますが、機会があったら試してみたいですね;-)。

さーっ!! そんなこんなで、ようやっと一つのウィンドがひとつのプロセスとして動作するターミナルソフトを手に入れた。インストール時に入るのは vte くらいのなので KDE4 を使っていても余計なモノを入れない(インストールしない)のが気に入っています。

gtkterm2 の設定が解らないときはここを参照してください;-)。

2012/02/16 加筆
以下の部分を改修した ports を作りました。

・日本語 po ファイルを書いたのでメニューは日本語表示できるようになります。
・Ctrl+n は emacs とバッティングするので新規タブは Ctrl+t に変更しました。

以下の URL から ports がダウンロードできます。

http://icmpv6.org/Prog/FreeBSD_ports/ports-gtkterm2-20120216.tgz