7月 222017
 

一台の PC で IPv6 が使えている状況で、他の PC にも IPv6 がほしいなぁ。と、いうことが、最近、多々あります。
NIC やスイッチのポートが限られていて他の PC を同一セグメントに接続できないじゃーん。みたいな・・。

と、いうことで構成図を一枚。

・緑色のルータは FreeBSD のルータで PC1 と gif トンネルで接続しています。

今までは PC1 で IPv6 を使えれば良かったんだけど、PC2 や PC3 でも IPv6 を利用したい。ぱっと思い浮かぶのが PC2 や PC3 でも個別に gif トンネル掘って緑色のルータと接続すれば良いしゃん。と、いう案です。

他にないの?というと、例えば

PC1 の gif0 と em1 を bridge にして PC2 と PC3 を接続して 2001:470:fe36:11::/64 のセグメントを利用できるようにしてあげる。

って案ですね。が、しかし、 FreeBSD では (if_gif を利用すると?) bridge がまともに動かないですなぁ・・。
と、いうか、最近まで知らなかったのですが、bridge するインターフェースは MTU を揃えないとエラーになるんですね。

# ifconfig em0 mtu 1500 up
# ifconfig gif0 mtu 1280 up
# ifconfig bridge0 create
# ifconfig bridge0 addm gif0 addm em0  up
ifconfig: BRDGADD em0: Invalid argument
# ifconfig bridge0 destroy
# ifconfig em0 mtu 1280 up
# ifconfig bridge0 addm gif0 addm em0  up

 
上記のエラーが出たときにどうして Invalid argument なのか /var/log/messages にメッセージが出力されますね。知らんかった・・。

 
とまぁ、仮に無事に bridge0 が生成されたとしても IPv6 の通信ができないので諦めました。 bridge0 に addm gif0 した段階で通信が途絶えます。 ifconfig bridge0 destroy すると復活します。原因はどこにあるのだろう?

 
以前、 VyOS を二台用意して IPv4 の別セグメントに IPv6 を L2 抜けする設定を一回掲載していますが、そんな大げさなネットワークを構築するのはイヤです;-)。

まぁ、今回は PC1 から PC3 までが同一セグメントに入っている必要はなく、とりあえず三台の PC が IPv6 で外部にアクセスできると嬉しいなぁ。と、いう感じなので、何かワザはないのか?と思い、考えたら『あぁ。NAT すりしゃ良いじゃん。』となったのであります。

 
と、いうことで IPv6 で NAT を有効にするにはどうしたら良いのだぁ? 調べてみると NAT66 という技術を利用するようですね。 IPv6 で IPv6 の NAT をするので NAT66。

と、いうことで前回同様、今回も pf を利用します。

今回は上の構成図に合わせると PC1 で pf を利用して NAT66 が動作するようにします。 PC1 の pf で設定は以下のような感じ。

nat on gif0 inet6 from 2001:470:fe36:100::/64 to any -> 2001:470:fe36:11::2

 
一行でできました;-)。これを /etc/pf.conf に書けば完了。

PC2 と PC3 は NAT のアドレスなので fd00::/8 のユニークローカル IPv6 ユニキャストアドレスを /64 で任意のセグメントを定義して利用しても問題は無いです。
僕の場合は 2001:470:fe36::/48 を持っているのでその中から NAT 用に 2001:470:fe36:100::/64 を切り出て利用しました。

NAT で利用する 2001:470:fe36:100::/64 は gif0 に付加されている 2001:470:fe36:11::2/64 を抜けて通信するので pf でその設定をしてあげると上のようになります。

簡単ですね。あとは service pf onestart して sudo pfctl -sa で確認すれば良いと思われます。

PC2 と PC3 はスタティックに IPv6 を ifconfig で設定してあげてください。PC1 で rtadvd の設定するの面倒なのでf(^^;;。

PC2 と PC3 では default gateway を指定する必要があるので、そのために PC1 の em1 に IPv6 アドレスを付加してあげる必要があります。

# ifconfig em1 inet6 2001:470:fe36:100::1 alias

 
PC2 と PC3 はこの IPv6 アドレスを default gateway に指定してあげます。

 
ちなみに 緑色のルータと PC1 の gif トンネルの説明はないですが、大丈夫ですよね? 以前のエントリで「IPv6 Over IPv4 トンネルを dtcp から VyOSへ。」と、いうのを書いているのですが、「2. dtcpclient 側の設定」の設定をサーバ側・クライアント側として逆に打つとトンネルを掘ってくれます。

 
と、いうことで、今回は NAT66 の設定を pf で行い、簡単に IPv6 を利用する方法を書きましたが、IPv6 が欲しい場合には比較的容易に gif トンネル + NAT66 っていうのが良いかもしれないです。

グローバルアドレスが付いている FreeBSD があれば、網内のどこにでもある FreeBSD から gif トンネル掘って、その下で NAT66 すれば良いだけですねぇ。

簡単だぁ;-)。