Amazon で USB Wi-Fi の子機が安く売っているのを発見し、購入しました。 AUKEY の AC1200 というヤツです。似たようなのを出しているメーカ名は色々あって Wavlink だとか、型番が WF-R6 というものだったりします。きっと OEM なんでしょうね。フツーの価格が 2,980yen で、クーポン利用で 999yen だったのでラッキーです。もう一個買おうかなぁ。
届いたのはこんな感じ。壁掛けパッケージです。そして、実物はこんな感じ。ずいぶんと大きいです。
USB の子機は 802.11 b/g/n/a/ac に対応しています。僕が購入した USB Wi-Fi 子機では初めての a (5GHz 帯) 対応です(僕は ac な AP は持ってない)。親機にもなれるようですが WindowsOS の場合はユーティリティをインストールしないとダメなようです。なので、自分的には子機専用で使う予定です。
利用しているチップは REALTEK の RTL8812AU というモノらしいです。 Windows10 Creators Update ではドライバなしでサクっと認識され 5GHz 帯のアクセスポイントにすんなり接続できました。
Cisco の EAP などに接続するためにはメーカサイトからドライバをダウンロードする必要があります。
ドライバはこの辺りのが使えるかな。 WN688A2–CD_WLAN_V6.85 のドライバをダウンロードすると良い感じです。
WindowsOS で 801.11a で接続して速度の検証してみたところ 802.11n の FreeBSD で言うところの if_run (Ralink のチップ) の機器の倍以上の 100Mbps 程度で通信することを確認しました。
さてと。これが FreeBSD で動作するのか、早速試してみました。
REALTEK の RTL8812AU は FreeBSD では対応していないようでドライバがありません。 REALTEK チップのカーネルモジュールとしては if_urtwn.ko がありますが、これでは動作しません。
で、ウェブで調べていると GitHub にカーネルモジュールがあったので、今回はそれを試してみました。
GitHub から urtwm-master.zip をダウンロードして適当なディレクトリに展開します。そしてその中にあるパッチを適用します。 usbdevs に適用するパッチになります。あとは、同梱の README.md を読んでその通りにやるとコンパイルが通り、インストールも無事に完了です。
インストール後は /boot/modules/ に urtwm-rtl8812aufw.ko urtwm-rtl8821aufw.ko if_urtwm.ko が配置されます。そして、それらを kldload すると利用可能な状態となります。
僕は普段から if_urtwn.ko を利用しているので、以下の設定が /boot/loader.conf に書いてあります。今回も必要かもしれません。
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さてと。カーネルモジュールのコンパイル時のとこをはしょりすぎているのでちょっと書きますが GitHub からダウンロードしたソースコードは 11.0-RELEASE 以降のカーネルソースが必要になります。
僕は FreeBSD/amd64 では環境が整わず FreeBSD/i386 と FreeBSD/arm で検証しました。
それにしても FreeBSD の 10 系 RELEASE と 11 系 RELEASE では USB 周りのソースの配置がガラっと変わりましたね。 10 系までは /usr/src/sys/dev/usb/wlan/ などにモジュールのソースがあったのに 11 系では /usr/src/sys/dev/ 配置されるようになりました。他にもカーネルのコードが変わっているので 10 系 RELEASE では if_urtwm はコンパイルできません。是非とも 11 系 RELEASE を用意しましょう。
と、いうことで if_urtwm* のコンパイルが通ったので使ってみることにします。一番最初に試したのはなんと Raspberry Pi 2 Model B の FreeBSD 11.0-RELEASE-p1 です。 USB Wi-Fi の子機は USB3 に対応しているのですが Ras Pi2 は USB2 にしか対応していないので性能が出ないんですが・・f(^^;;。
ザクっと USB ポートにさしてみると ugen に落ちて認識しません。あらら。僕が購入した AUKEY の AC1200 の情報を usbdevs に書いてあげる必要があります。
と、いうことで以下の行を /usr/src/sys/dev/usb/usbdevs に記述してあげます。 VendorID は既に登録済みだったので ProductID のみ記載します。
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あと、ソースコード中にも記載してあげる必要があります。 urtwm-master/sys/dev/urtwm/if_urtwm.c に対して以下のパッチを適用します。
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これで、再度コンパイルしてインストールします。今回購入した USB Wi-Fi 子機は REALTEK の RTL8812AU というデバイスとして認識されるようになります。
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で、 FreeBSD/arm 11.0-RELEASE-p1 と FreeBSD/i386 11.1-RELEASE-p1 で試してみましたが、残念ながら 802.11a では接続できませんでした・・。orz
ただし、 802.11n では動作しました。こちらのほうはかなりの速さで、一応 30Mbps くらい出ました。 USB 子機が大きくてアンテナがちゃんとしているからでしょうかね。
WindowsOS では 802.11a で利用できるのですが、残念ながら FreeBSD では 802.11n だったですが、速度が出るのでヨシとしておくかぁ。と、いう感じでしょうか。 NotePC には大きくて常用は厳しいですが Ras Pi2 には良いかもしれんです。
USB3 へ接続すると 802.11a で通信できるのかなぁ? 今回はその環境がありませんでした。
あ。 /etc/wpa_supplicant.conf とか /etc/rc.conf の記述方法は今回ここでは書きませんが、大丈夫ですよね?
自宅の ThinkPade145 は USB3 が動作するのですが、この NotePC はカーネルのみが 10.1-RELEASE のままなので今回のカーネルモジュールはコンパイルできません。 syspend/resume を取るか、最新の FreeBSD を取るか悩ましいところではありますが、僕の場合は suspend/resume のほうが重要。なのでバージョンアップはしていません。
と、いうことで GitHub から拾ってきた if_urtwm のカーネルモジュールですが、一応は動いている。ということになります。if_run も if_rum も if_urtwn も、今までは 802.11n 対応だったので今回 FreeBSD で初めての 802.11a のドライバ。と、いうことになるかと思われます (僕の試した環境では接続できなかったけど・・)。
if_urtwm はどんなデバイスがあるのか? というのは上のパッチを適用したソースコードである sys/dev/urtwm/if_urtwm.c の中に書いてあるので、試してみたい方は一回覗いてみると良いかも知れません;-)。