ports current を追いかけている人なら解ると思いますが、ibus という日本語入力なアプリケーションが 1.4.2 から 1.5.5 になりました。このバージョンアップにより日本語の入力がかぁなり複雑になったようですね。
ibus 1.4.2 と 1.5.5 の簡単な違いについて書いてみると、
o. 日本語入力状態は絶えずオン状態
o. キーボードを変更することにより全角と半角を切り分ける
と、なったようです。ある意味「日本語入力用キーボード」と「英字専用キーボード」の二つを使い分ける。と、いう状態になったようですね。おかげで ibus-setup の設定画面からは IME のオン/オフ のメニューが消えております。
さてさて。僕は今回 ibus-1.5.5 のインストールからつまずいたのでそこから書いて行きたいと思います。色々試行錯誤を繰り返し、今は日本語入力ができるようになっております。ふぅ。
あ、ちなみに僕の環境は FreeBSD/amd64 9.2-RELEASE-p3 で X での日本語入力の環境は ibus+ibus-mozc で KDE4 を利用しております。当然、オンプレミスな環境です;-)。
emacs では mozc+mozc.el を利用していますが、この場合の mozc は ibus 経由ではありません。しかし、それとは別に ibus+ibus.el+mozc というパターンもあり、その場合には ibus-el-0.3.2 が ibus-1.5 系に対応していないので動作しません。と、いうことで ibus-1.5 系にした人はサクっと ibus-el-0.3.2 を pkg delete しても問題はまるでありません。
と、いうことで、まずは ibus-1.5.5 のインストールから見ていくことにしましょう。
1). ibus-1.5.5 のインストール
FreeBSD だと ports では textproc/ibus/ になるので make && make install と打てばインストールが完了すると思いますが make config のオプションで悩みます。 ibus-1.5.5 をインストールすると GTK2 と GTK3 の両方が必要になる(インストールされる)のは非常に納得行かないですね。しかし、悔しいですが、以下のキャプチャの通り DOC と GCONF もしくは DCONF 以外は全てチェックを付けたほうが良いと思われます。
GINTRO (銀トロ? なに? それ?) をオフにすると IBus.py がインストールされずに ibus-setup が起動しない状態になる(動かないなら最初から ibus-setup インストールするのやめろよーX-(し GTK3 要らんもんねー。などと思っていると、やはり ibus-setup が起動しなかったりと、そこはかとなくとんでもない ibus がインストールされるので、ちゃんとフルオプションを付けてあげましょう。
と、いうことで ibus のインストールは完了しました。
ibus がインストールされたのですが、一応、ibus-mozc も再度コンパイルしてあげましょう。念のために ibus-1.5.5 インストール後に japanese/ibus-mozc/ で make && make deinstall && make reinstall して、一応は準備完了。と、いうことで。
2). ibus の起動と設定
ibus の起動は ibus をインストールしたときに pkg-message が表示されるのでその内容で設定しましょう。
まぁ、素早く試したい場合には ibus-daemon_restart とか ibus-daemon_start コマンドを実行します。無事に起動したら ibus-setup コマンドを叩いて GUI で設定します。
「キーボードショートカット」の [次のインプットメソッド] メニューでインプットメソッドの切り替えを設定します。一番上に書いたように簡単に「キーボード切り替えのためのショートカットキー。」と、いう認識でいるのが良いかと思われます。
ちなみに default では “Super+Space” になっていると思いますが “Super” キーというのは Win キー であったり Mac の command キー に相当するらしいです。なので、 default では「Win+Space キーでキーボード切り替え。」ってことですね。
さてさて。他のタブを見て行きましょう。
[インプットメソッド] のタブでは「インプットメソッドの選択」で「日本語」のキーボードアイコンと mozc を選択します。二つの項目が登録されている状態ですね。
[詳細] タブでは「キーボードレイアウト」で [システムキーボードレイアウトを利用する] にチェックしておいたほうが良いかもしれないです。僕の場合は ibus-setup を起動した途端に 101 キーボード列になってしまいました。普段は 106 キーボード列を利用しているのに・・。
と、いうことで ibus の設定は完了。あとは日本語をベコベコ打てば良いですね。
3). mozc 側で設定
が・・。上記の「キーボードショートカット」で設定したもの(僕の場合は “Shift+Space” にしました)をベコベコ押しても一向に日本語が打てる気配はありません。画面中央に切り替え画面が表示されるのですが、日本語が打てません。あいや・・。orz
しょーがねぇなぁ。となるのですが、今度は mozc の設定を行います。 mozc_tool_config コマンドを叩いて mozc の設定画面を表示させます。 [一般] タブの下のほうに「キー設定」というのがありますが、そこにある [編集] ボタンを押します。表示されたウィンドの真ん中の列が「入力キー」で、そこが “shift space” というところに、コマンドを「IME の有効化」を選択し保存します。
あとは mozc_server_restart と ibus-daemon_restart を実行して、そのあとにキーボードが変わってくれるかを確認します。
だいたいこんな感じで ibus+mozc の場合には日本語が打てるようになるでしょうかねぇ。mozc ではない、他の IME を利用している方、申し訳ありませんが設定方法は解らないので自力で頑張ってください;-)。
しばらく使ってみた感想ですが、
o. 新しいウインドを開いた時に日本語キーボードが選択されている
o. スクリーンセーバのパスワード入力も日本語になる
o. 文字を打ち始めると最初の文字が化ける(日本語にならない場合がある)
o. 画面に ibus の設定とかがチロッと出る場合がある(これは何?)
などでしょうかねぇ。けっこう痛いですかね・・。
けどもまぁ、なんとか ibus-1.5.5 に移行できたのでヨシとしておきましょう。もう少し使い込んで色々な設定を出していきたいとは思っていますが。
もしくは fcitx に移行していくかもー。
English Keyboard を追加して、JPなIMの上に持ってけば英語デフォルトになります。
iBusが常にオンで、iBusの中でキーボードを切り替えてるという仕組み。
dankogai さん。こんにちは。コメントありがとうございます。
なるほど。それで「常時日本語キーボード状態」が回避できるわけですね。スクリーンセーバーのパスワード入力時に日本語入力状態になっているのにはほんとウンザリですからねぇ。
ちなみにキーボードの順番を変えるにはどうしたら良いか悩みましたが、僕の場合は dconf を利用しているので以下のコマンドで変更してみました。
$ dconf write /desktop/ibus/general/preload-engines “[‘xkb:us::eng’, ‘mozc-jp’]”
確認は
$ dconf dump /desktop/ibus/general/
これでしばらく様子を見てみたいと思います。
ども。エントリの著者です。
fcitx-mozc な ports も試してみました。
今は japanese/fcitx-mozc が IGNORE な状態なので mozc-1.11.1502.102 に対応する fcitx-mozc のパッチを拾ってきて試しました。コンパイルを通るようにソースをいじって fcitx-mozc.so なモジュールは完成したので chinese/fcitx をインストールして試したのですが、動きませんでした。
考えられる原因としては mozc-1.11.1502.102 に対応する fcitx-mozc のパッチは多分 fcitx-4.2.8 用で、 FreeBSD の ports は fcitx-4.2.6 となっており、 fcitx 本体と fcitx-mozc モジュールのバージョンに差異が発生しているため、上手に通信が行なえように思われます。
なので chinese/fcitx のバージョンが最新にならないとやってもムダっぽいので諦めました。
さすがの僕も chinese/fcitx の ports を最新のバージョンにする気にはなれませんでした。
と、いうことでどなたか chinese/fcitx の ports を最新のバージョンにしてくれる方を絶賛募集中。そーしたら僕が japanese/fcitx-mozc を作ってみますので。
よろしくおねがいしますー;-)。
こんにちは。
fcitx関連をざざっと一気にアップデートするportsを作りました。
https://github.com/HirotoKagotani/freebsd-fcitx
テストなどしていただけると(さらにmozc対応していただけると)ありがたいです。
メンテナにも投げますので、いずれ更新してもらえると思います。
Hiroto Kagotani さん。こんばんは。
fcitx-4.2.8.3 の最新版の ports 化ありがとうございました。
まだまだ確認することはたくさんあるのですが、先にご報告だけ。
fcitx-mozc で動きました;-)。
他にいろいろ検証してから再度エントリ書きたいと思います。
明日以降になるかと思われますが。
[…] 以前のエントリで FreeBSD で利用する ibus-1.5.5。 というのを書きました。 要は ibus が 1.4.2 から 1.5.5 になったら随分と使い勝手が悪くなったねぇ。と、いうことで、どうしたらちゃんと利 […]