CASIO FIVA MPC-206

最新更新日 2002'05.12.
更新項目  5.0-CURRENT の情報を追加しました。

  ほとんど出たてで CASIO FIVA MPC-206 を買いました。デェフォルトで Linux と、WindowsMe がインストールされていますが、すかさず format して Windows2000 と FreeBSD-4.3-RELEASE をインストールしました。ここでは、それらのインストールと各種設定に付いて書いてみたいと思います。

  所で、 IBM ThinkPad535E ネタはもう更新は無いと思ってよいでしょう。これで私のページでは PC98 ネタが無くなり 98Note ネタが無くなり、535E ネタが無くなった(更新が止まった)事になります。アーメン;-)。

2002 年 05 月 12 日追加分
  5.0-CURRENT-20020506-JPSNAP 分の情報を「FreeBSD の最新情報」に掲載しました。 5.0-CURRENT-DP1 をインストールする場合にはこちらを参考にしてみてください。

2001 年 10 月 25 日追加分
  このページはこのまま、手つかずで残しておくことにします。私のページにしては珍しく MS-Windows ネタも書かれているし、 FIVA-users な ML の方も沢山参照している様なので・・。と、言う事で、今後の更新に付いては FreeBSD ネタは別ページへの掲載にしたいと思います。今後ともこのページを宜しくお願いします。

        FreeBSD の最新情報


マシンが届いた。さて・・。
  ま、基本的には「使えない OS」と言われている WindowsMe がプリインストールされているのでこれを消すところから始めます。 HDD は 20GB と潤沢なので、 Wondows2000 をインストールして、その後で FreeBSD をインストールしようと考えたわけです。

  外部記憶装置としては、USB 接続の FDD でブートします。PCMCIA 経由では CD デバイスでブートしてくれます。その逆の、USB 接続の CD デバイス、 PCMCIA 接続の FDD ではブートしてくれないようです。悲しい事ですね。

  「ま、USB な FDD は一個位買っておくか。」と、言う事で、 Y-E DATA USB Floppy Drive な USB-FD を買いました。実売価格としては、8,000yen 弱くらいでしょうか。純正のよりはるかに安いです。これで、 FreeBSD 等は FD ブートしてインストールが可能になりました。

  CD デバイスに付いては、 Adaptec の PCMCIA で SLIM SCSI 1460 互換の SCSI カードを利用しています。最近秋葉で安く出回っていて 3,980yen 程度で売っていたのでそれを買いました。このカードは FreeBSD でも問題無く使えるし、Windows2000 はインストール FD が認識してくれるのでサクサクっインストールできて非常にお手ごろです。ただ、外部接続の SCSI CD ドライブが必要になりますけど;-)。

  後、フラッシュカードでブートが可能です。アダプタを付けたフラッシュカードを用意し PCMCIA スロットに差し込みます。CF に DOS がインストールされているとそれでブートします。CF スロット経由ではブートしませんのでご注意下さい。
  FreeBSD の場合は FD 経由の DOS でブートざせた後、 bsdboot.com でブートさせれば FDD さえも必要ないです;-)。

  と、言う事でインストールする為の準備が整ったのでインストールを始めるわけですが、折角 WindowsMe がプリインストールされているのでそれを消す前にブート用の FD だけでも作っておきましょう。WindowsMe の FD って Windows98 のとは違い FD 一枚で済むのでいろいろな時に何かと重宝すると思います;-)。

  いよいよ、WindowsMe を全て消してパーティションを切り直すわけですが、FIVA MPC-206 は全てが ACPI で管理されているのでレジューム/サスペンドは ACPI に対応していない OS にはちとつらいです。なので、ひっそりと用意されている APM 互換モードを使う事にします。

  その為には BIOS の設定を変更します。BIOS の "Suspend Mode" を Suspend to Disk にしましょう。これで準備 OK です。そして format と、言うか FDISK は以下の様にしましょう。

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partition 1:   sysid 7(NTFS 5.0)             8GB
partition 2:   sysid 165(FreeBSD:UFS)       11GB
partition 4:   sysid 160,(Suspend to Disk) 133MB
----------------

  partition 4 に 0xa0 なパーティションラベルを書き込む必要があります。これは PhenixBIOS 用のサスペンド領域です。Windows などの ACPI により管理している OS の場合は、c:\ にハイバネーション領域をファイルとして確保しますが、 APM 互換モードで利用する為にはパーティションを作成する必要があります。簡単に用意するには phdisk.exe と言うの必要になります。とりあえずは 手元においておきましょう。

  尚、 Linux には、lphdisk が、 FreeBSD では 岩崎さん が新たに作成した lpformat(仮名) と言うのが存在しています。私はどっちも使った事有りません;-P

  さ、準備万端ですね。後は、二つの OS をそれぞれインストールしましょう。インストールに付いては、両方の OS に付いては書かないです。解りますよね。

FreeBSD の人柱。
  と、言う事で、bsd-nomads な ML でも随分と長いスレッドが続きました;-)。私が引き伸ばした。とも言うのですが・・(^^;;。で、問題点であるとかをいろいろ克服しました。

・ハード的要素
  ま、 RealTek の NIC とはいえ、内蔵である事の意味は大きいです。CardBUS をサポートしていない FreeBSD にとって、実質の値で 50Mb/sec 出るネットワーク環境は魅力です;-)。これを利用する場合においては PAO の機能は必要ないですね。

  現状では、RealTek の NIC は PC-UNIX では結構ぼろぼろだ。と、話を聞きます。私はデスクトップな PC にカニマークを使っていたのですが、皆さんが騒いでいる現象には陥らなかったので「僕のは無事だよ。」的余裕をぶちかましていたのですが・・。

  やっぱ、止まりますなぁ・・。 FIVA MPC-206 と、このデスクトップ間で 200MB くらいのデータを ftp すると、止まるんですな。確かに。皆さんの言う事がこの時点で初めて解りました;-)。で、どうしたか?と、言われれば、デスクトップ PC 側の NIC を Intel のに変えました。それでまたまた問題解決です;-P。

・PCMCIA について
  さて、本題。 FreeBSD の PCMCIA のカーネルのデェフォルトの設定では、フラッシュカードスロットにフラッシュカードを刺すとマシンがフリーズします。カーネルを作成する時に IRQ と iomem を明示的に指定して上げることで無事に使えるようになります。

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# device        pcic0   at isa? irq 0 port 0x3e0 iomem 0xd0000
# device        pcic1   at isa? irq 0 port 0x3e2 iomem 0xd4000
device          pcic0   at isa? irq 7 port 0x3e0 iomem 0xde000
device          pcic1   at isa? irq 7 port 0x3e2 iomem 0xdf000
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  なぜか知らないのですが、 PC カードをスロットにさすと文字化けを起こすんですな・・。なので pccard.conf のデータベースとマッチしないので大変です。どこがいけないのだろう・・。唯一 4.3-RC の 4/23 版をインストールしている時にはまともに動いていたのだけれど、それ以前の RC や 4.3-RELEASE では文字化けを起こすので正しく使えないです・・。誰か、原因を教えてください。

・ハイバネーション
  BIOS の設定を変更して Suspend to Disk 領域を宣言しても format しなければ正常に動作しません。 DOS から phdisk.exe を実行して format して上げる必要があります。これをしないと BIOS 設定画面を表示した時に、「Suspend to Disk がおかしいじゃんよぉ。」などと怒られます;-)。

  そんなこんなでいろいろ試したのですが、やはり動作は不安定で、寝るときには素直に寝てくれるのですが、なかなか起き上がることがありませんでした。そんな状況の中で FreeBSD 方面では有名な 岩崎さん と言う方が、 FIVA MPC-206 が正しく寝て、起きてくれるようにパッチを書いてくださりました。うれぴーーっ!!。これでだいぶ安定。と、言うかほとんど安定してハイバネが出来る様になりました。あとは「ぴっぴっぴっ」の時の場合ですね。

  で、その問題の 「ぴっぴっぴっ」 に付いてですが、原因の特定が出来ました。

  そもそも FIVA MPC-206 は BIOS 的に見て HDD へのアクセスは ATA33 な転送速度です。しかし、内蔵されている IBM DJSA-220 の HDD はデェフォルトで ATA66(ATA66/UDMA66/mode4 は全て同じ事です) な HDD になっています。でもって 4/6 以降の 4.3-RC では、ata ドライバに mode4 をサポートしてしまったので、それまでは ATA33 で認識していた HDD が、この日を境に ATA66(dmesg で見る正確な表示は UDMA66 です) として認識されるようになりました。カーネルレベルでの転送速度が UDMA66 の場合に「ぴっぴっぴっ」でマシンが凍りつきます。

  回避策としては、FreeBSD の ata ドライバを mode4 にならない様に修正する。と言う方法があります。後は、IBM のサイトから HDD の転送速度を変更するゆーちぃりちぃをダウンロードして来て ATA66 となっているのを ATA33 にする。と、言う手があります。

  IBM のサイトから ibmftool-install.exe と言うのをダウンロードして来て、HDD の内容を書き換える事が出来ます。

  この作業を行う事により HDD の転送速度は ATA33 になってハイバネーションが安定します。岩崎さん のパッチと併せて使えばもうばっちりです。良かったですね。

  ただ、現在、目覚めたときに X がおかしくなる。と、言う問題があります。しかし、まぁ、これは FIVA MPC-206 に限ったお話では無いみたいで、どちらかと言うと、SMI LynxEM+ の問題らしいです。

・LongRUN に付いて
  CPU が Transmeta の Crusoe と、言う事で、ここはやっぱり、LongRUN 機能が動いて欲しいぞぉ。と、言う事になりますが、服部さん と言う方が作って下さいました。うれぴーーっ!!。これで Crusoe の制御が行えることになります。良かったです。

  パッチに付いては、ちょっと古い ioctl 版と、sysctl 版が有りますが、後者の方が今後のソースツリーに入る可能性がある為にいろいろと都合が良い様です。でもって、このパッチを有効にする為に ports が用意されているのでそっちを使った方が楽チンです。
#実はソースコードを利用して自分でパッチを当てようとしたら当たらなかった・・(^^;;。

  このパッチを適用すると、カーネルレベルで LongRUN 対応になるのは当然として longrunctl と言う CUI なコマンドがインストールされます。なかなか凄い;-)。
  しかし、人間と言うのは欲望のかたまりですな;-)。次は GUI が欲しいなぁ。と思う様になってしまいます。そしたら今度は、GNOME アプレットであるとか、GKrellM のプラグインであるとか、いろいろ登場して来ました。作って下さった皆さん有り難うございました。

  GKrellM のプラグインは、FreeBSD 版と、Linux 版の両方が一つのソースコードで対応出来ています。素晴らしいですね。FreeBSD 版は 藤田さん、Linux 版は さとうさん と言う方が作成して下さいました。

http://fjts.org/~m/Soft/GKrelLongRun/

  からソースのダウンロードが可能となっています。0.2 系は、FreeBSD の LongRUN パッチである、ioctl 版に対応しています。Linux には対応していません。(2001/07/04 現在の) 0.5 系のバージョンは sysctl 版に対応しています。このバージョンは Linux にも対応しています。展開した後、configure して、ぐまけくまけいんすとーるでインストールが終わります。

  後は、GKrellM にプラグインとして設定するだけですが /usr/local/sbin/longrunctl に set-uid ビットを立てないと一部の機能が動作しませんのでご注意を・・。


・音、出る?
  デェフォルトでインストールされている Linux は xmms で mp3 が聞けますね。と、言う事は ALSA で既に対応済み、と言う事でしょうか。後は、ALi からドライバも用意されてます。すごいですね。

  FreeBSD では

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pci0:  (vendor=0x10b9, dev=0x5451) at 4.0 irq 10
----------------

として、サウンドチップが認識されます。をぃっ!! 認識出来ていないじゃんかよぉ(-"-)。

  愕然と思う気持ちでじっくり悩むと、「あり? ALSA で動くなら、きっと OSS で動くんじゃないの?」と、言う事で、OSS のページを見に行くと・・。おーーっ!! "ALI M5451 audio core" と言うのがラインナップされていますねぇぇ。こりゃぁ早速、ossfreebsd394g-43.tar.gz と言うのをダウンロードして、インストールして、モジュールをロードしてみたのですが、ひどい時にはマシンが凍りつきます。良いときでも音は出ません(つまり全然ダメって事ですね(g_g)。/dev/sndstat とかもちゃんと存在しているのにねぇぇ・・。残念です。私のやり方が悪いのか・・。だれか、OSS で音が出た方いますか?

  最新版は 395a なのですが、これはインストールが CGI になりました。X クライアントとして動作します。すげーー。と、言いつつ、やっぱり動きませんでした。しくしく。誰か、動いた方いますか?

  等と書いていたら、既にドライバを作成した方がいらっしゃる様でして。すごいですねぇぇ。横川さん と言う方が作ってくださいました。うれぴーーっ!! と、言う事でカーネルに組み込むか、モジュールとしてロードして上げると音が出るようになります。私は、音の出る NotePC を持ったのは今回が初めてです;-)。

  さてと。FreeBSD での人柱的お話はこれくらいです。結構いろいろな機能が使える様になったので、全然と言うか、全く問題無いです。あ、内蔵のモデムがありますね。けど、最初から当てにはしていませんでした。それにモデムの PCMCIA カードは既に二枚も持っているし、ThinkPad535E でもモデムが使えなかったので、ま、どーでもいーけんね。状態です;-P。

CASIO FIVA MPC-206 で KDE2 を使う。
  詳しい事は、やっと動いた KDE2;-)。の所で書いているのでそっちを参考にしてください。

  ちろっと書くと、 FreeBSD 4.3-RELEASE に付いてくる XFree86 は 3.3.6 ですが、この X では MPC-206 で KDE2 は動かすことは出来ません。X のバージョンを 4.1.0 に上げれば、まぁ、なんとか動く様にはなります。原因としては、SMI の LynxEM+ が悪さをしている様です。この石はいまいち評判悪いですね;-)。

  で、XFree86 4.1.0 の XF86Config に付いては、やっと動いた KDE2;-)。の所の一番下に書いて有るので参考にしてみてください。

Windows2000 での状態。
  情報収集の為には http://www2u.biglobe.ne.jp/~matobaa/fiva-ml.html などが宜しいのではないでしょうか。ここでは有用な情報が流れています。

  私の場合、上の方にも書いた通り Windows2000 のインストールは非常に簡単でした。Windows2000 のインストール FD でブートした時に、SCSI カードが自動的に認識されインストール時には外付けの CD-ROM からインストールができるのです。いやぁ。嬉しいですね。

・ドライバの収集
  足りないドライバはあっちゃこっちゃから拾って来ます。大部分はThinkPad の i シリーズや富士通の LOOX と一緒らしいです;-)。Windows2000 のインストールに挑戦している記事にドライバの入手先が載っているので参考になると思います。がっ!!一部ドライバの入手先が明確なライセンス違反となっている様です。参考程度に眺めることにして頂いて、必要なドライバはそれぞれベンダから取って来た方が良いでしょう。

・サウンドチップに付いては付属のリカバリ CD の中に入っているのでそれを利用する事が出来ます。
・グラヒックチップは http://www.siliconmotion.com/ などから持ってくるようにしてください。
・モデムに付いては、http://www.lucent.com/ などから探して持ってくるようにしてください。

   FIVA users ML で活発に発言していらっしゃる T.Ogasawara さん と言う方が書かれた http://www2.csc.ne.jp/~cassiopeia/fiva/20x/win2k.html 等も参考になるかと思います。

  これで私はモデムと、サウンド、そして、グラヒックカード全てが使えています。凄いですね。

  等と書いていたら T.Ogasawara さん からご連絡を頂き、モデムのドライバは Lucent の web ページにはドライバは無いそうです。なので、ドライバは下の T.Ogasawara さん のページ経由でダウンロードしてください。

・LongRUN に付いて
  FIVA MPC-206 には「モバイルコックピット」と言うのが付いているのですが、これは WindowsMe にしか対応していないんですね。しくしく。と、言う事でとごからか拾って来る必要があります。

  凄い人は、富士通の LOOX に付いていたものをインストールしている人がいました。後、VAIO のも動くと思います。ただ、メディア的には面白くないですが・・;-)。

  と、言う事で拾って来るわけですが、T.Ogasawara さんが作成していらっしゃいます 'FIVACtrl 2' と言うのがあります。これをインストールすると、LongRUN が利用出来る様になります。

  ただし、'FIVACtrl 2' を使うには、VB6 のランタイムが必要になるのでこれも併せてダウンロードしてインストールしましょう。

  と、まぁ、駆け足で書きましたが、CASIO の FIVA MPC-206 はこんな感じです。もっと詳しい FreeBSD ネタに付いてはいつもの所でいつもの様に書いていきたいと思います。MPC-206 は当初の値段よりも更に下がりました。リブレットが復活しても結構ダサダサです。FIVA の居場所はいまだに確保されているのではないでしょうか。皆さんも一つ、どうぞ;-)。


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